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5中国海軍の問題点

最近では中国海軍の外洋行動も活発化し、1980年4月28日から6月1日には旅大型ミサイル駆逐艦6隻、2万トン級の遠洋補給艦2隻、救難艦2隻、海洋観測艦向陽紅型2隻、国防科学委員会所属の1万7000トンの衛星追跡船遠望級2隻など、総計18隻(総トン数17万4000トン)のミサイル観測艦隊を南太平洋を派遣した。次いで1985年11月から翌年1月には、旅大型駆逐艦1隻と2万トン級補給艦1隻を、パキスタン、スリランカ、バングラデッシュヘ親善訪問のために派遣し、インド洋にも足跡を示した。その後、1986年と87年には東シナ海から西太平洋で大規模な外洋演習を実施したが、1989年には練習艦鄭和をハワイへ、97年2月から5月には初めて太平洋を横断し、アメリカ、メキシコ、ペルー、チリーを訪問するなど、中国海軍の外洋海軍化は一段と進んでいる。

しかし、中国海軍が沿岸海軍(Brun Water Navy)から外洋(Blue Water Navy)に転換したと見るのは早計で、中国海軍はその中間段階にある近海海軍(Green Water Navy)にも至っていないし、対空防御ミサイルの搭載比率や、ヘリコプター搭載比率の低さなど、中国海軍の装備上の遅れを指摘する意見も多い(23)。確かに、中国海軍の現有兵力を見ても旧式で雑多な小型艦艇が多く、老朽化が進んでいるが更新は遅々とし、建造ペースも極めて低調である。すなわち、1990年以降に建造された大型艦艇は旅大

 

 

 

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