? アンケート調査(問6)によると、まず、国税から道府県税へ移譲すべき税目としては、地方公共団体からは、消費税から地方消費税への税源の移譲という回答が多かった(54団体)。これは、税源の偏在が少なく、安定性に富んでいることを理由としている。また、所得税から個人住民税への移譲という意見も多く見られた(37団体)。これは、地域住民に負担が認識されやすいことや税源の普遍性に比較的富んでいること等を理由としている。このほか、税源に富んでいることを理由として、法人税から法人住民税への移譲を求める意見や(10団体)、国たばこ税の道府県たばこ税への一本化(10団体)、自動車重量税の移譲という意見(9団体)も見られた。
次に、国税から市町村税への税源移譲については、所得税から住民税への移譲という意見が最も多かった(53団体)。また、国たばこ税の市町村たばこ税への一本化という意見(28団体)や、消費税の地方消費税(市町村交付金)の移譲(26団体)、法人税から法人住民税への移譲(21団体)という意見も比較的多く見られた。
? 第2章において、望ましい国と地方の税源配分のあり方を、地方税原則(普遍性、安定性、伸長性)、社会経済情勢への対応、地方公共団体の役割の変化等に照らして検討し、また、上記(1)で地方公共団体へのアンケート調査を検討したところであり、これらの結果を総合して考えると、以下のような税源配分の見直しが考えられる。
(概 要)
・個人所得課税については、税率の比例税率化を進めることと併せて、所得税の一部を住民税へ税源移譲をする。
・法人事業税は、外形標準課税を導入する。
・消費税の一部を地方消費税へ税源移譲する。
なお、この見直しに当たっては、国と地方の役割分担の見直しがある程度大規模に実現されることを前提とする。すなわち、相当規模の事務権限の委譲又は国庫補助・負担金が相当大幅に整理合理化され、地方一般財源の確保の必要が生じた状況を想定している。