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地方分権フォーラムinさいたま

竹内 栄一(埼玉県総合政策部地方分権室長付主事)

 

はじめに

昨年12月1日に浦和市において、地方自治法施行50周年の記念事業として、地方自治、地方分権の意義や必要性について広く情報発信をするために、埼玉県、埼玉県議会、地方六団体、財団法人自治総合センターの主催で「地方分権フォーラムinさいたま」を開催した。

当日は、岩手県、京都府に続き開催されたフォーラムにもかかわらず、県内はもちろんのこと、全国各地から行政関係者を中心とし、地方議会議員や地域住民の方々など、1,400人を超えるご参加をいただき、熱気溢れるフォーラムを開催することができた。

始めに基調講演において、地方分権推進委員会の委員であり、行政関係検討グループ座長の西尾勝東京大学教授から、「地方分権推進委員会の活動を振り返って」という演題で、勧告にいたるまでの委員会の活動や勧告の論点について、具体例も交えながらお話を何った。続いて行われたパネルディスカッションでは、元島根県知事であり、埼玉総合研究機構理事長の恒松制治氏をコーディネーターに迎え、パネリストには、行政関係者として中川浩明・埼玉県副知事、遠藤淳二・埼玉県南埼玉郡菖蒲町長、有職者として大山礼子・聖学院大学助教授のほか、地元川口市在住の漫画家田代しんたろう氏、ジャーナリストの宮崎緑氏など、各方面から多彩な顔ぶれの方々にご出席いただき、「分権型社会を築くために」をテーマに、行政や住民の意識改革や住民参画の推進、国と地方の新たな関係づくりなど、広範囲にわたり積極的な議論が展開された。

基親講演〜地方分権推進委員会の活動を振り返って〜

基調講演で、西尾教授は、まず、「明治以来続いていた機関委任事務制度が廃止されることがほぼ確実になった。そして、国と地方の関係を対等・協力の関係に変える保証として係争処理の仕組みが政府に受け入れられた。そのため、これらを含めて地方自治法の全面改定がほぼ確実になった。」と切り出した。

さらに、「第1次から第4次の勧告のうち、機関委任事務561項目の振り分け、必置規制79項目にわたる整理、さらに団体委任事務に係る300項目の関与の整理と都道府県から市町村への権限移譲341日、などはすべて関係省庁と合意がなされたものであるので、確実に実施されるであろう。」と、見通しを述べた。

一方、「国による関与の今後の手続きルール」、「補助金、負担金の整理・合理化と地方税財源の充実確保に関する今後の方策」、「地方行政体制の整備・確立」、「都道府県と市町村の間の新しい関係」、「国と地方公共団体との係争処理の仕組み」などの省庁横断的制度事項については、文書でのやり取りで各省庁から合意が得られたということで勧告しているため、今後十分な監視が必要であ

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