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ついて意見交換する「北東アジア経済フォーラム」を開催するなど、今後とも、さまざまな分野での交流を進めていきたいと考えております。

このように地球規模に広がった、「交流と連携」や、人と人との絆のふかまりを感じるとき、私は、「共生」という言葉を思い浮かべます。

私たちは、鳥取という地域で生活していますが、また地球村の一員でもあり、同時代を生きる世界の人々とともに地球という環境の恩恵を受け、またその環境を守り、次の世代に引き継ぐ責任をもっています。自分たちの住む鳥取を愛し、ふるさと鳥取の環境を守り、美しい県土をつくりあげることが、ひいては地球を愛し、人間と自然の「共生」につながることと考えなければなりません。

このようなことから、鳥取県では、来るべき21世紀に向けて、足元から「環境」を見据えた施策を進めています。

これまでに、県民、事業者、行政がそれぞれの立場で環境の保全と創造に向けた取り組みを進めることを目的とした「環境基本条例」や、優れた景観をもつ美しい県上をつくりあげるための「景観形成条例」、空き缶のポイ捨てなどをなくすことをめざす「環境美化促進条例」を制定してきたほか、今年中に環境基本計画の策定を行うなど、県民の方々と一体となって環境を重視した地域づくりを進めているところです。

また、現在、環境をテーマとした新しい大学の2001年開学をめざして、鳥取市と共同で準備を進めています。21世紀の最大の課題である環境問題について、地球規模の問題から日常生活まで幅広く教育研究を行うこの大学から、有為の人材が世界に羽ばたき、21世紀を築いていくことを願っています。

さらに、自然環境や国上の保全などにおいて、さまざまな公益的機能を果たしている中山間地を保全し、活性化するため、鳥取県型デカップリングである「中山間地ふるさと保全施策」を進めておりますし、健全な森林整備・育樹活動の必要性を、今年10月に本県で開催する「全国育樹察」を通じて全国に情報発信することとしているなど、いろいろな機会をとらえ、「環境」という視点からさまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。

「環境の世紀」といわれる21世紀を間近に控え、県民の方々とともに、先人の方々が築き上げてきた、ふるさと鳥取のもつ「美しい豊かさ」を守り育てながら、いわば「環境立県」をめざして、魅力ある地域づくりを進めてまいりたいと考えています。

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