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(4) 水中膨脹試験

異常なし。

(5) 投下試験

投下時の衝撃に対し、コンテナ強度は十分と考えられるが、上下コンテナの固縛方法について改善の余地が必要である。

(6) 風速試験

風速30m/sにおける膨脹試験により、基本的には問題がないことを確認した。但し、天幕ファスナー部の補強が必要である。

4) 今後の課題

本年度は、一次試作品に自動排水機構を取入れ、さらに、いかだ本体及びコンテナ強度の補強等の改良を加えた二次試作品を設計製作した。自己復正、自動排水、水中膨脹、風速等の諸試験等による性能評価試験を行った結果、排水弁の構造、コンテナのシール方法等を改善することにより、本タイプは25人用の救命いかだとして実用化可能であるとの結論を得た。

なお、50人用等の大型いかだの開発に際しては、つぎの検討が必要である。

?いかだ縦横比の検討

25人用の場合、縦横比を2前後とした。大型いかだの場合、乗員の座高、配置等を考慮して、縦横比及び天幕高さを決めるとともに、これらのいかだの外形寸法と自己復正性能の関係について復原力計算により検討する必要がある。

?剛性の再検討

スケールアップに伴い剛性が低下するので外部補強気室の追加等が必要である。

?軽量化

在来型の50人用救命いかだの質量は約400kgで、自己復正型にすると、さらに重くなり、いかだの取り扱いが困難になる。軽いゴム布材料の使用、救命水の代替として海水脱塩装置の導入等につき考慮する必要がある。

2年度にわたる調査研究の結果、自己復正型救命いかだの実用化の目途がついた。今後、いかだの大型化とそれに伴い発生する取扱い面での検討が必要と考える。

 

 

 

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