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○ 地球温暖化による海洋環境への影響

情報工学の発展、スーパーコンピュータの性能向上に伴い、海洋モデル、気候変動モデルも多く開発されているが、100人の研究者がいれば100のモデルができるのが実態と言われている。残念ながら人間は将来の環境に対して予測を行うレベルに達しているとは言えないのが現状である。

温暖化と海面上昇に関する課題、取り組みが求められる対策手法の多くは「予測」レベルにある(図6-5)。ところが、モデルを支える基本的なデータが十分とは言えない。北極の氷を例として考えると、北極の氷の厚さや、氷が温暖化でどの程度変化するのかについて明確な知見が得られていない状況がある。その上、北極は振動(Arctic oscillation)しており、こうしたデータはモニタリングのデータの積み重ねで明らかになるものである。

モデルの改良には、前提条件となる基本的なデータ収集が極めて重要であり、精度や信頼性を高めてモデルを精緻化を図っていくにはモニタリングの推進が重要であるといえる。少なくとも現時点では、モニターによるデータ収集が求められており、モニターを十分に実施し続ければ、大きな環境変化に対応できると考えられる。

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