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?プロジェクト・スタイル

応用開発の場合、一般的には共同開発の形を取らず、SSPAが100%開発を行うというスタイルを取る。企業の研究者は、適当な段階、例えばスケールモデルの実験期間中に1〜2人が、オブザーバ、もしくはスーパーバイザとして参加する。

なお、プロジェクト費用は、出来高ではなく、開始時に決めた契約金額で最後まで固定される。水槽等の設備利用費はプロジェクト費用の中に組み込まれ明記されるが、時間単価は人件費の3倍である。

 

?研究開発マネジメント

各部門では目標管理はしているが、金額的な目標は緩いといえる。すなわち利益をあげることが目標ではなく、受注高もオーダが達成できればよい。それよりも時間(=人件費)の目標が重要である。また、研究だけに時間を費やす研究者はあまり評価されない。

 

3)SSPAの強み

SSPAが強いとされている分野は、ナビゲーション・シミュレーション、環境負荷分析、事故の影響分析といった分野ある。特に、ナビゲーション関連では、ステナ・ラインの双胴型高速船「HSS」に、SSPAが開発した自動接岸システムが採用されているのは有名である。

水槽設備も充実しているが、性能的にはノルウェーのMARINTEKや、オランダのマリーンと同程度であろう。ただし、水槽試験に関する長い経験があることと、すでに償却が終わっていることは、有利な点といえるかもしれない。

 

4)大学との関係

応用開発の場合は100%SSPAが担当するが、基礎的研究の場合は大学の研究者も参加してくる。

現在、国際海事研究センターの設立活動をしているが、大学の海洋工学部の研究者と共同で、特に海外の企業との共同研究を行おうという趣旨である。現在、EUに予算請求しており、参加企業の募集も始めようとしている。

なお、SSPAの研究者のうち、半分以上はシャルマス工科大学出身者であり、他は企業等から移ってきた研究者である。

 

 

 

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