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1996年、マイワシ生餌の価格は最高値時には104円/KG、年間平均でも44円/KGと、かっての20円台/KGから見ると驚異的な高値になっている。一方、配合飼料は海外のメーカーの販売攻勢や技術の進歩に加え、環境意識の高揚もあって取り扱い業者が急増してきている。

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配合飼料には粉末飼料(マッシュ)と固形飼料(ドライペレット)の二種類があり、固形飼料(通常は水分15%以下)には形状によりスクランブル、ペレット、ソフトペレット等がある。その他、餌を与える段階で生餌と粉末飼料を混ぜた混合飼料(モイストペレット:MP、通常は水分30%以上)、屑肉と粉末飼料を混ぜたジェルペレット(GP)等が開発されている。ドライペレットも様々な改良が加えられており、高温・高圧下で製造することにより、滅菌され、しかも多糖類のα化が高まったEP(エクストルーデッドペレット)は今や代表的なペレットとなっている。また、EPと同様な機能を持つが、ペレット生産能力が高く、その分安価なE×(エクスパンダー)というタイプも出てきている。

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養殖事業における経費の中で、餌代は最も大きな割合を占める(3.4.3養殖業の採算性の章を参照)ので、養殖業者にとっては、生餌の供給動向は死活の問題となる。また、配合飼料価格も海外からの販売攻勢があるとは言え、200円/Kg以上と高い。日本には魚粉に対して56円/kgの輸入関税がかかっており、これは今後36円/kgまで引き下げられるとはいうものの、依然、コストに大きな影響を及ぼすこととなる。

 

 

 

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