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関する知識を表現するための統一的な手法があれば有効である。作業者は自身の知識を実際に行う手順に従って保持している場合が多い。それで、ビジネスプロセスを作業の手順に従って記述するプロセスフローとして表現することが有効となる。

また、実際の業務では多くのものや情報などのオブジェクトがかかわる。業務プロセスが何をどのように行っているのかを知るには、オブジェクトがいつ必要となり、いつ要らなくなるのか、あるいは、どのプロセスを経て変化するのかということを把握する必要がある。 そのため、オブジェクトの状態遷移をプロセスフローと関連付けて表現することが望まれる。

更に、プロジェクト進捗管理を支援する場合、プロセスフロー及びオブジェクトの状態遷移という2つの視点が両方とも重要になる。なぜなら、進捗管理の単位はプロセスフロー中のプロセス群となるのに対し、管理の把握をするためのモニタリングの対象はオブジェクトの状態となるからである。つまり、オブジェクトの状態遷移がトリガーとなってプロセスへの管理行為(例えば、遅れを注意するとか、別の作業を開始してよいという指令を下すなど)を行うことができるようになる。

以上のような要求を満たすため、IDEF3ではプロセスフローとOSTNという2つの分析の視点(View)を持っており、これらはプロセスを記述する言語を構成している。次項でそれぞれのビューについて説明する。

(4) プロセスフローの例

プロセスフローの例を図3.3-1に示す。プロセスフローの構成要素としては、一つのプロセスを表すUOB(Unit Of Behavior:図で大きな四角)、プロセスフローの論理関係を表現するジャンクション(小さな四角)、UOBあるいはジャンクションを結ぶリンク(矢印)がある。また、プロセスフローではUOBを更に細かいプロセスフローとして記述できるが、これが分解であり、図では点線で表されている。

 

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