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放任主義的集団運営の三つをとりあげ、それぞれの長所を生かした使い分けを説明しています。

 

権威主義的リーダーシップとは、リーダーがある程度自分で意志決定をし、それをメンバーに充分説明し、納得してもらって作業を遂行していくものですが、これはメンバーの能力が未熟であったり、多少劣っていたり、あるいは反抗的であったりするときには非常に有効な面を持っています。また、あまり高い目標を達成することには向きませんが、時間を急ぐとき、目標をいちはやく達成しなければならないときには有効な運営方法です。

 

民主主義的リーダーシップとは、メンバーとリーダーとが全員で意志決定をしながら、集団運営していく方法ですが、これは参加している人達が力を合わせてやっていこうとの意志統一ができているときには非常に有効です。しかもこの運営方式の最大のメリットはメンバーの潜在的な能力が表面に表われ、成長していくことにあり、目標を達成するのに、時間がたっぶりかかってしまうという欠点はあるにしても、高いゴールが得られるという点で優れています。

 

放任主義的リーダーシップは、リーダーがメンバーに仕事の遂行だけでなく、意志決定までも任せてしまう形態ですが、そのメンバーたちが一匹狼的で他人と協調できなくても、彼らが専門的能力を持っている場合には、非常に有効です。それと同時に、本来優秀なメンバーがいた場合には民主主義的リーダーシップの更に先をいくような高い成果が得られる可能性があります。

このように、地域活動をどのようなリーダーシップのもとに展開していったらよいかについては、メンバーの成熟度や目標の高さ、あるいは急ぐのかそれとも時間的ゆとりがたっぷりあるのかどうかといった条件によって運営の方法が使い分けられることも必要なのです。緊急を要する事態が発生し、とにかく急いで事態に対応しなければならないような時は、権威主義的リーダーシップが必要でしょうし、皆で時間をかけて成果をあげることが期待される場合には民主主義的リーダーシップが有効だということです。

スタッフは、リーダーを補佐する立場にあり、参謀的な役割を果たすものです。母の会の活動を効率的で有意義なものにするためには、大胆な発想、綿密な計画が望まれます。スタッフは、地域の環境や交通事故状況を分析して、具体的な計画を作成しなければなりません。また、関係機関との連絡や、庶務的な仕事もスタッフの仕事です。

母の会でスタッフの具体的な役割は、次のとおりです。

(1)交通事故の分析

(2)運動の基本方針と計画策定

(3)市町村や警察署との連絡

(4)予算の作成、会計事務

(5)会員の活動の総合調整

 

 

 

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