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個人の価値意識も大きく異なっている組織には適さないといわれています。

 

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スタッフ型組織は、参謀型組織とも言われ、小規模の組織に適しているとされています。これを図で示すと右のようになります。これは大組織には適合しませんが、上級者がそれぞれの立場で部下に関与する意味で、組織内の融和は保たれます。

ライン型にもスタッフ型にも、それぞれ長所と欠点があり、欠点をカバーするためにライン型とスタッフ型を組み合わせたものが、ライン・スタッフ型組織で、現在ではこの組織が最もよいものとされています。これを図で示すと右のとおりです。

交通安全母の会のようなボランティア運動でも、会員の数が増加し、組織が大きくなればなるほど、その組織形態はライン・スタッフ型組織がよいと思われます。ただ、母の会のようなボランティア運動では、 リーダー、スタッフと会員との間の関係は官庁や企業のような命令一服従関係ではありません。お互いが協力し合う関係にあることを忘れてはなりません。

母の会で、ライン・スタッフ型組織を考えると、リーダーの指導力とスタッフの役割は組織が大きくなればなるほど大切になってきます。

 

3 リーダーとスタッフの役割

 

母の会が組織として地域活動を効果的に実施していくためには、会員がバラバラに動くのではなく、統一的な行動が必要になります。そのためにはリーダーが、下部の組織や、会員の行動を調整しなければなりません。

リーダーは、交通安全に関する知識を持ち、会員の信頼と尊敬を得る人格、会員を実際に指導していく実行力が必要です。交通安全に関する知識は、常識的なものと考えられ、安易に交通安全活動を行いがちです。しかし、リーダーなどに必要とされる交通安全に関する知識は、常識的でも簡単なものでもありません。交通事故の動向に関する知識、高齢者、若者、幼児に関する精神的、身体的特性の理解、自動車の性能に関する知識、交通法規に関する知識など、必要とされる知識は広範囲なものになります。このため、リーダーはこれらの知識を身につけるとともに、会員の信頼を得るだけの人格を磨いていく必要があります。

リーダーがどのように母の会を運営していくかは、その地域における環境によって異なってくると思われますが、ユーリスは「リーダーシップの技術」(ダイヤモンド社)という本の中で、権威主義的集団運営、民主主義的集団運営、

 

 

 

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