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5.4. 円錐貫入カクライテリアに関する考察及び今後の課題

表5.3.1に示した円錐貫入力のクライテリアは実験結果を外挿したものであり、問題がある。特にテウディエ鉱のクライテリアは、円錐貫入試験により計測できる円錐貫入力の範囲を超えるものもあり、このままでは採用できない。よって、円錐貫入力のクライテリアを合理的に決定するためには、次年度以降の研究において以下の点を改善することが必要である。

(1)現場円錐貫入試験における水分値の計測精度を高めること。

(2)現場円錐貫入試験において可能な限り水分値の低い試料を用意していただき、より低い水分値における円錐貫入力を得ること。

(3)現場円錐貫入試験における締め固め方法を定量化すること。

(4)荷繰りを充分に行った場合の貨物のパイルの形状について、さらに多くのデータを得ること。

このうち(3)締め固めの定量化においては、大型機械による力を用いないことが重要である。

本年度は研究が緒についたばかりであり、試験を実施する試料の水分値の範囲については、水分値の計測には時間を要することもあり、試料の強度を感覚的に把握し、荷崩れの危険性が問題となる範囲を含むように努めた。しかし、特に現場円錐貫入試験においては、試験を行う試料の水分値の範囲が高かったことが否めず、今後の課題である。

参考のため、実験室円錐貫入試験結果に基く、水分値のクライテリアに対応する円錐貫入力を表5.4.1に示す。

 

115-1.gif

 

表より、実験室円錐貫入試験においても、試料の違いによる円錐貫入カクライテリアの違いは有意でないとは言えず、本年度の研究からは、試料によらないクライテリアを決定する見通しは得られなかった。実験室円錐貫入試験に基づく円錐貫入力のクライテリアはゲベ鉱の方がテウディエ鉱よりも大きいのに対して、現場円錐貫入試験では逆になっている。このことから、テウディエ鉱の現場試験において高い円錐貫入力が得られているのは、試料が大きなを塊を多く含むためである考えられる。

 

 

 

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