5.3. 円錐貫入力のクライテリア
5.3.1.現場円錐貫入試験の解析方法
現場円錐貫入試験により得られる円錐貫入力は、平均値の取り方によらず傾向は変わらないことは図4.3.2及び図4.3.4より明らかである。また、これらの図には、小さいデータを省いた場合(1/4〜1/2等)の解析結果を示したが、こうした解析方法の必要性については、現場円錐貫入試験における締め固め方法の定量化についてさらに研究を進めた上で検討する。よって、平均値を計算するためのデータ数は、実験回数を決定する際の自由度を考慮して、なるべく大きくするのが妥当である。
円錐貫入力の平均値を解析するデータ数を決定するには、円錐貫入力が得られない確率、即ち、円錐貫入力が計測範囲を超える確率を考慮する必要がある。円錐貫入力が計測範囲を超えた回数は、多いもので、テウディエ鉱では60回中21回、ゲベ鉱では60日中14回であった。荷崩れの危険性から見た水分値のクライテリアは現場円錐貫入試験時の最も低い水分値に近いものであるため、円錐貫入力が計測範囲を超える確率がさらに高くなる場合も想定する必要がある。また、締め固めの定量化の影響や、試料がより多く大きな塊を含む場合も想定すれば、全てのデータのうち小さい方から1/2を解析することには問題がある。よって、円錐貫入力の代表値としては、全てのデータのうち小さい方から1/3のデータの平均値を用いるものとする。
5.3.2.現場円錐貫入試験の解析結果
以上の条件で、テウディエ鉱の円錐貫入力の代表値と水分値の関係(図4.3.2)は補正せずに図5.3.1に示し、ゲベ鉱については、4.5.5節で述べた通り、加水から円錐貫入試験までの時間が充分でないことに対する補正を行った結果を図5.3.2に示す。図には、実験