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4.7. 次年度の実験における留意点

4.7.1.評価の精度向上のためのポイント

荷崩れ危険性の評価に基づき円錐貫入力のクライテリアを決定するための手順は以下の通りである。

(1)一面剪断試験用試料の水分値のクライテリアの決定

(1-1)試料の水分値と剪断抵抗係数及び粘着力の関係の把握(一面剪断試験)

(1-2)一面剪断試験結果を用いた荷崩れ数値解析に基づく水分値のクライテリアの決定

(2)一面剪断試験用試料の水分値クライテリアの現場円錐貫入試験用試料の水分値クライテリアへの換算

(2-1)通過重量百分率の計測

(2-2)篩上試料の最大水分値の計測

(3)水分値クライテリアに対応する円錐貫入力の決定

(3-1)円錐貫入力の解析方法の決定(現場円錐貫入試験)

(3-2)水分値と円錐貫入力の関係の把握(現場円錐貫入試験・実験室円錐貫入試験)

(3-2)寝かし時間を考慮した円錐貫入カクライテリアの補正(現場円錐貫入試験・実験室円錐買入試験)

即ち、次年度以降は裏漉し水分値試験は実施せず、水分値の換算方法を決定するため、4.6.7節で述べたような充分な量の試料を用いた通過重量百分率計測(2-1)と、4.6.8節で述べた篩上試料の最大水分値の計測(2‐2)を行う。水分値の換算のための正確な値を得ることは、精度の向上のためのポイントである。

実験精度向上のためのもう一つの課題は、加水から円錐貫入試験までの時間の管理である。本年度の円錐貫入試験結果から、加水量及び加水から円錐貫入試験までの時間と円錐貫入力の関係について、その傾向は把握できたが、定量的なデータを得るには至っていない。そのため次年度も、実験室円錐貫入試験等により引き続き研究する必要がある。

4.7.2.現場試験における試料の採取方法

揚げ荷役現場においては、実験室試験に用いるための試料の採取も実施した。本年度は、試料が充分に撹拌されているべきことを重視して、円錐貫入試験の後に試料を採取したが、必要以上に加水や乾燥を行わないことを優先すれば、試料は円錐貫入試験の前に採取するのが適当と考えられる。即ち、現場試験においては、水分の低い試料を用意していただき、最初に撹拌してから一部の試料を取り分けた後、残りの試料で円錐貫入試験を実施する方が良いと考えられる。

4.7.3.通過重量百分率計測と試料の準備

通過重量百分率の計測を現場実験の際に並行して実施するものとすれば、各種の実験室試験のために準備すべき試料の量は以下の通りである。

 

 

 

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