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4.6. 最大粒径と水分値の関係の検討

4.6.1.試験の目的及び種類

第2章で述べた通り、これまでの研究では、篩い分けした試料の水分値クライテリアを最大粒径の異なる試料の水分値クライテリアに換算する際に、一定以上の大きさの粒子は水分を含まないとの仮定を設けていた。この水分値換算方法では大きな粒子を含む試料の水分値クライテリアは低くなり、安全側ではあるが換算した水分値クライテリアに基づいて円錐貫入力のクライテリアを設定するには適当ではないとの問題がある。そのため、より優れた水分値の換算方法を見いだすことを目的として、-元の試料と篩下試料の水分値の関係を求める試験を実施した。この試験を以下「裏漉し水分値試験」と呼ぶ。

裏漉し水分値試験は、最大粒径100mmの試料と最大粒径19mmの試料の水分値の関係を調べるもの(100-19mm裏漉し水分値試験)と最大粒径19mmの試料と最大粒径6.7mmの試料の水分値の関係を調べるもの(19-6.7mm裏漉し水分値試験)の二種類を実施した。

さらに別途、最大粒径100mmの試料中の19mm以下の試料の割合及び最大粒径19mの試料中の6.7mm以下の試料の割合を求める、即ち通過重量百分率を計測するとともに、粒径19〜100mmの試料及び6.7〜19mmの試料がどの程度の水分を含み得るのかについて試験した。

4.6.2.裏漉し水分値試験手順

裏漉し水分値試験の手順は以下の通りである。

(1)最大粒径Aの試料を用意し、水分値を調製する。

(2)試料を縮分し、一部はそのまま水分値を計測する。

(3)呼び径B(B<A)の篩を用いて、最大粒径Aの試料から最大粒径Bの試料を抽出する。この作業は、入力により試料を篩の上から下へ素早く押し通すことにより行う。その際、篩の上には、粒径B以下の粒子がなるべく残らないように注意するが、粒径B以下の粒子も一定程度残る。

(4)最大粒径Bの試料の水分値を計測する。

(5)水分値計測を終えた最大粒径Aの試料から、篩を用いて粒径B以上の粒子を抽出し、乾燥状態における重量を計測する。これにより、水分値を計測した最大粒径Aの試料中に含まれる粒径B未満の粒子の重量ベースの比率が分かる。

粒径Aを100mm、粒径Bを19mmとしたものが100-19mm裏漉し水分値試験であり、粒径Aを19mm、粒径Bを6.7mmとしたものが19-6.7mm裏漉し水分値試験である。試験によって得られるのは、最大粒径Aの試料並びに最大粒径Bの試料の水分値及び最大粒径Aの試料中に含まれる粒径B未満の粒子の重量ベースの比率である。

 

 

 

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