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4.6.3.裏漉し水分値試験結果の解析方法

(1) 仮想篩上試料

最大粒径と水分値の関係は、粒径分布により異なると考えられる。複数の試料に関する実験結果を比較するには、粒径分布が異なる場合についても最大粒径と水分値の関係を推定できる方法が求められる。

試験手順(3)において、篩の上には篩のメッシュよりも細かな粒子を含む試料が残るが、理想的に篩い分けが行われたとした場合の水分値は計算により求めることができる。解析においては、この理想的に篩い分けが行われたとした場合の篩上試料(仮想篩上試料)」の水分値を求める。仮想篩上試料の水分値を解析し、その挙動を把握することにより、舗下試料の水分値と通過重量比率から、元の試料の水分値を推定できる可能性がある。

(2) 仮想篩上試料の水分値

仮想篩上試料の水分値の計算方法は以下の通り。

最大粒径A、水分値MCAの試料Aから抽出した最大粒径Bの試料Bの水分値がMCBであり、試料Aを乾燥した際、粒径B以下の試料が、質量ベースの割合にしてρ含まれていたとする。試料中の水の質量をMw″、固体部分のをMsとし、最大粒径を添え字で表せば、以下の式が成り立つ。

 

103-1.gif

 

(1)及び(2)式において、水分値MCA及びMCBは実験により得られる。試料Aから試料Bを完全に取り除いた仮想篩上試料をDとし、その水分値、水の質量、固体部分の質量を、添え字にDを付けて、それぞれMCD、MWD、MSDと表す。元の試料Aの水のうち、篩下、即ち試料Bに含まれる水の割合をqとすれば、以下の式が成り立つ。

 

103-2.gif

 

 

 

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