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おいて、私は献体をなされた方々の意志に沿うような取り組みは出来なかったと言わざるを得ません。この上は解剖学実習で得た知識を大事にしつつ、社会の発展につくせる医師になれるよう努力することによって、献体をなされた方々の意志に沿いたいと考えます。

 

感謝文

 

重清 静

 

私達学生の学習の為に献体していただき、本当にありがとうございました。六か月間という短い期間での系統解剖だったのですが、多くの事を直に学び取ることができました。文を読み、写真を見て学習するのとは違い、複雑に分布する神経、様々な臓器に栄養を与えている動脈、そして静脈、ヒトの運動がスムーズに行われるように細かく働く筋肉、器官など直接手に取って一つずつ教科書と照らしあわせることでより深く学習できたと思います。当然の事ですが、神経、血管の大さ、臓器の大きさには個人差があり、改めてヒトは一つとして同じではないんだと感じました。又、複雑に分布する神経、血管は非常に繊細ですが、腱、靭帯は非常に強固なもので、筋肉と相関性を持ちながら運動の土台を形成していることを目で見て確認できました。そして更に生命の尊さを感じました。今は静を保ったままの御遺体が、生前ではそれぞれの器官がそれぞれの機能を一秒の狂いもなく果たしていた事、温かい皮膚の下では凄

 

 

 

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