最後に、実習の為に自らのからだを提供して下さった方々、そしてその家族の方々、またそういった意志をお持ちになっている白菊会の皆様のご勇気、ご意志に心からのお礼を申し上げたい気持ちです。 献体された方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
解剖学実習
長谷川 ゆり
まずはじめに、防衛医大学生の勉強の為にと自らの体を献体して下さった方とそのご家族の皆様に心からの感謝を申し上げます。
さて三ヵ月にわたる解剖学実習も終わりを告げようとしています。今思えば最初のご遺体との対面には大変なショックを受け、これから自分のしようとしていることに大いなる関心と恐怖と疑問を心に抱きました。
医者になる為にはさけて通れない実習であるとわかっていながらも自分と同じ人間を、言葉は悪くなりますが、切り刻んでいくわけですから。
いざ実習を始めてみると、それは正に驚きの連続でした。これまで図や写真集、文字による説明のみの理解だった様々な構造が文字通り、手にとるようにわかります。筋のつき方、神経・血管の走行、関節の動き、またそれらの形状、大きさが視覚的にうったえてきました。新しい部位を開くたびに驚嘆の声をあげ、人体ひいては生命の神秘に感動を覚え
