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図1-4に示されている問題点は主として、業務系のアプリケーション・パッケージの利用を少なくしている要因であると考えられる。

利用上の問題点として上位に挙げられている「拡張性の欠如」,「自主的な保守・運用の困難」,「機能の欠如」は、いずれも「パッケージベンダーが想定した業務モデルをシステム化した完成品」としてのアプリケーション・パッケージの性格に起因するものである。すなわち、「完成品として確立した機能を持っているがゆえに拡張性には欠けたり、要求どおりの機能が欠けていたり、自前で保守を行うことが困難である場合もあるが、備えられた機能をそのまま受け入れれば、開発期間やコストを圧縮することが可能になる。」という性格をどう評価するかで、アプリケーション・パッケージの利点と欠点は入れ替わってしまうものだと考えられる。(この点については、次の1-2で考察を加える。)

「マニュアル理解の難しさ」,「既存システムからの移行の難しさ」,「遅いレスポンス」は、いずれもアプリケーション・パッケージの品質に関わる問題であり、アプリケーション・パッケージ産業が発展途上にあること、そして選定時における品質面でのチェックの重要性を示していると考えられる。

「開発費用」,「メンテナンス費用」,「開発期間」はいずれもカスタマイズに関連した問題である。アプリケーション・パッケージ利用の基本方針(システム要件とアプリケーション・パッケージの仕様との差異をどのような形で解消するか)によって評価が変わってくる部分だと考えられる。

 

最後に、ユーザーがどのような基準でアプリケーション・パッケージの選定を行っているかを調査した結果を図1-5に示す。

 

 

 

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