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ー将軍であり、それからその後に首相になるネビンであったりして、みんな30人が流れをくんでいるわけですけれども、そのこともあって老若男女からあまりにミャンマーが今日あるのは日本のおかげだということを言われて、実に恥ずかしい思いをするわけであります。

この前、ミャンマーに行った時に、ニューヨークに長かったというミャンマーのジャーナリストと話をしたのです。ニューヨークが長かったというのですが、例のロンジーと帽子をかぶって出てきました。ちなみにあのスカート、ロンジーはほとんど90%のミャンマーの男子が来ている民族衣装なんですが、彼もそれを着てやってきた。彼はニューヨークに長いというので英語で話をしたのですが、実は今度うちの娘が結婚することになったと、その結婚の相手は日本兵でここに住み込んだ人の息子だと、日本兵がビルマの婦人と結婚をして、その間にできた子供がヤンゴン大学に行っていて、娘と知り合って結婚することになったと、つまりそのくらい身辺にいるわけです。今でも大使館のお正月などにたくさん来るようですが、そういうこともあって非常に親日的であると、基本的に親日的だと、日本に対する親近感を持っている。これは大変うれしい、ありがたいことです。

それと、やはりこれはタイについても言えるし、ミャンマーについても言えるし、あるいはインドについても言えるのでありましょうけれども、そしてまたカトリックのフィリピンにも言えるわけですけれども、宗教心のある国というのは、やはり観光的にも非常に魅力があるのではないかと、一種の価値観がはっきりしていて、私は嫌な思いに誘われることが非常に少ないのではないかというふうに思っています。

さて、迎える観光あるいは迎える交流のほうですが、先ほど申し上げましたように、外国人の来日の第1位が台湾で占められていると、台湾は人口約2,000万ですけれども、その3分の1の600万から700万人が毎年海外旅行をしている。そしてその多くの人が日本へやって来る。

台湾との関係は、中華人民共和国との関係もあり、日本はなかなか微妙なものですけれども、決して忘れてはいけないのは、台湾の人々がこれまた非常に親日的であって、日本を憧れている人が非常に多い。ご存じと思いますが、去年の菊地寛賞は「台湾万葉集」です。いまだに日本語で和歌をつくっている人が数百人いて、その人たちが万葉集のような歌をたくさんつくっている。台湾万葉集は10巻ぐらい出ていると思いますけれども、日本語版も3冊出まして、それに対して菊地寛賞が授与されたわけですけれども、日本語族と称していて、日本語でいまだに日本に対する大変な憧れの念が強いわけです。

私も去年でありましたか、台湾の日本人会で講演をしましたけれども、海外の日本人会の講演であれだけ現地の方が来る例はないでしょう。半分は台湾の人です。日本語をしゃべります。この間、私の講演が終わってから一人一人が立ち上がって完璧な日本語で感想を述べられました。大変感激しました。李登輝総統も京都大学から日本の陸軍の士官を務められたぐらいで、もちろん完全な日本語を話され、奥さんも完全な日本語を話されます。台北第三高等女学校の出身ですが、台北第三女学校の同窓会でこの間、安田祥子さん、由紀さおりさんのお2人を呼んで、昔の女学生愛唱歌集を歌ってもらったらみんなわんわん泣いたのよという話をされておりましたけれども、そういうふうな方がおります。

台湾はアジア最大の最も民主主義が完成した国と言ってもいいのではないかと思いますが、これからは日本、韓国、台湾、そして中国との関係が大事になってくる。

それから同時に、ミャンマーとかインドを取ることに対して、ベトナムも関わりますけれども、どういう交流を進めていくか、これが大変大事な課題になっていくのではないかというふうに思います。

どうも航空路線のほうにはあまり結びつきませんで、観光とそれにまつわる背景のような話ばかりでしたけれども、これをもちまして私のお話を終わらせていただきます。

長時間わたりまして、ご清聴まことにありがとうございました。

 

 

 

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