日本財団 図書館


事例報告?

「生活と芸術」

11/8

 

◆朱希(しゅき)

上海金山農民書院副院長(中国)

 

■プロフィール

 

1957年上海生まれ、1986年上海大学美術学院油絵学部卒業、現在、中国工芸美術家協会会員、上海美術家協会会員、上海大学美術学院現代民間美術研究室助手研究員、上海金山農民画院副院長兼農民画指導教師を務める。

1974年高卒後、農村で農業を営む傍ら、美術創作活動を始めた。油絵と磨漆絵に長じている。1975年処女作の年画(お正月に飾る絵画)の「金穀満倉」が全国美術展に初参加し、中国美術館に収蔵された。1978年作品の「織網乙女」は全国民間絵画展に入選し、のち中国美術館に収蔵された。この絵画は1982年に日本美乃美出版社により編集出版されている。1982年には、欧州の著名な芸術評論家のトーマ・シェビッチ氏により、彼の生い立ちを紹介した記事が掲載された。

1979年、上海市文化局及び美術家協会により、創作優秀賞を表彰。1981年、米国ニューヨークのパントーレ国際画廊主催の「中国現代芸術展」に作品「凧」が入選。

1984年、上海大学美術学院油絵学部に合格入学し油絵の芸術創作に専念。1986年、卒業後大学に残り、教師を務めた。その後、相次ぎ、「農民画家」「囲炉裏」など一連の作品を発表した。1987年、上海美術学院の大阪・東京などの日本の巡回作品展に五つの作品が選ばれ、その後、日本の画商によって収蔵された。

1991年7月米国ネバタ州芸術基金会に招かれ、アメリカを訪問すると同時に個展を催し、基金会の金賞を授与される。1992年3月帰国後、上海金山農民書院指導教師を務める。1992年5月、上海電視台(テレビ局)第51回「風采録」特別番組において、創作活動の経歴が紹介された。

1992年「中国現代芸術界名人録」に選ばれる。1993年「中国現代芸術界名人名作博覧」に選ばれる。

これまでの20数年余にわたる芸術創作活動を通じて、氏の作品は「新民晩報」、「解放日報」、「文化芸術報」「美術」などの雑誌と新聞に発表されている。

 

■要旨

 

美しき情熱に満ちた民間芸術魂―金山農民絵画の芸術特徴およびその組織指導方式を述べる―

 

1.金山農民絵画の芸術特徴

(1)平面的でシンプルな造型、および直感的な映像画面で、人々に原始的でシンプルな感覚を与える。

(2)豊満な生活感情とこだわりのある色彩感覚で、人々に強烈な視覚効果を与える。

(3)水郷田園風景、農家の趣を題材とし、懐かしさ、・恋しさ・憧れと言った感情を人々に与える。

(4)多様な表現法により、芸術の被写体を生き生きとさせている。

 

2.金山農民絵画の組織指導方法

(1)まず学生になり、のちに先生になる。

(2)指導教師が備えるべき芸術センスと事業精神が要求される。

(3)農民画家自身のもつ芸術創造性を正確に引き出し、一人一人の芸術個性を生かす。人により教授法を変え、上手に誘導する。

 

3.中国と外国の民間文化との相互影響を述べる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION