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事例報告?

「医療を変えるホスピタルアート運動」

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◆ジャニス・パルマー(Janice B.Palmer)

デューク大学医療センター文化サービスプログラム担当(アメリカ)

 

■プロフィール

 

1958年に教養学専攻、美術副専攻の文学士号をテキサス大学より取得。1960年代はテキサス記念博物館で歴史主事やテキサス州オースチンの児童自然科学センターで調整官を務めた。また、イリノイ大学シャンペイン・アーバナ校の学生家族住宅共同センターの設立、組織、運営を手伝う。1970年代にはノース・キャロライナ州ダーラムの公立学校創作芸術委員会創設者の一員になる。教師、教育課程開発官、プログラム調製官を歴任後、ダーラム芸術委員会に就職、教育プログラムを指導。

1978年よリデュ―ク大学医療センターで文化サービス・プログラムを指導。文化サービスは「医療・ケアーの提供、教育、研究の向上とリーダーシップを育み、センターでの生活に芸術と人文科学を取り入れ、病で苦しむ人と世話をする人に芸術の癒しの力をもたらす」という医療センターの使命を支援する。文化サービスには視覚芸術、公演芸術、ビデオアート、人文科学プログラム作成、芸術家にとって芸術医学の浄化施投の役割が含まれる。

氏は“Hopital Arts Handbook”(病院芸術手引書)を始め医療芸術に関して多くの論文を共同執筆している。また、ダラス美術館主催の「博物館と視覚障害者」シンポジウム、ミラー・インスティテュートの「公演芸術医学の進歩?」会議や、1992年ニューヨークで開かれた「芸術と医療世界会議」などで発表している。

また、氏は1989年に第1回ヘルスケア芸術担当者会議を組識、主催、それが翌年の芸術療法学会創設につながった。1992‐93年には会長を務め、1996年には会議を主催した。国際芸術・医学協会理事会理事でもある。モナ・リザ・コレクション(ジアコンダ・アキュムラタス)の多岐にわたる収集の管理者でもある。

ジャニス・パルマーは過去17年間にわたり、デューク大学医療センターにおいて患者、見舞客、スタッフ、学生のために多様な芸術と人文科学のプログラム開発を指導してきた。医療施設で技術プログラムを開発する手引となる“The Hospital ArtsHandbook”(病院芸術手引書)を共同執筆した。1990年にはカナダ、イギリス、ドイツ、フランス、日本及び全米に会

 

■要旨

 

米国ノースカロライナ州のデューク大学医療センターの文化サービスプログラムは、院内の人の生活に効果があるかもしれないと考えた医師によって1978年に設立されました。この20年間に、我々はアーティストや芸術団体、医療専門家や患者とともに活動して、芸術と人間性を統合してセンターの活力とするために種々の方法を探求し、芸術のもつ治癒力を病人や治療をする人に与えようとしてきました。

今までの探求から、どの種の芸術活動が当メデイカルセンターの人々に最適であるかがわかってきました。基本的な問題を認識するようになり、それらをプログラム目標に決めました。

 

1.ビジュアルアートを収集・提示し、物理的環境のデザインに見た目に敏感であることを推進することによって医療環境に美しさをもたらすこと。

 

2.視覚芸術、公演芸術、文芸の機会を提供し精神に触れ、力と慰めの深い境地を開くことを促進すること。

 

3.仲間に機会を作って、互いに、またより大きなコミュニティーのために創造的芸術、手工芸品、及び公演技能を提示することによって、医療センターで仕事をし、研究している人の間でコミュニティーを祝うこと。

4.すべての文化サービスプログラム地域で多くの文化を示すことによって医療センターのコミュニティーの多様性をたたえること。

これらの日標のいくつかは医療運動における芸術に関する米国の組織(医療の芸術団体)を国家的に支援することによって分かち合われます。芸術家、芸術に関する行政機関、医療専門家、建築家デザイナー、支援者などの人々が1989年以来集結し、互いに学びあって、芸術が人々および施設の両方の治癒に対して大きな貢献をするということを広く一般に自覚することを促進しました。

今では、我々はこの自覚が世界中で大きくなっていることを知っています。ユネスコは世界保健機構(WHO)、ヨーロッパ会議などと協力して、ヨーロッパ中で病院芸術プログラムを設立しました。英国の芸術プログラムは国立保健サービスを通じて盛大になりました。米国のプログラムとロシア、リトアニア、及びポーランドの医療推進計画の技術の間に協力関係が出来始めました。

もっとも重要なことは、たんぽぽの家は国際的にリーダーシップを発揮して、この非常に重要な神戸のカンファレンスの主催をしていることです。彼らの努力と勇気によつて、我々が共に行っている大きなビジョンの仕事を実行する際に、世界中で手をとりあって、学び、サポートし、自分たちも他の人たちも強くなっています。

 

 

 

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