<テーマのねらい>
「大規模災害を想定した危機管理体制の整備」では,事例の読解を通じて,
?@ 地震による大規模災害という「危機」の発生を想定して,それによる損失を最小限にするため,地方公共団体としてどのような事前準備をすればよいか,
?A 実際の地震災害発生時に,地方公共団体の職員としてどのような行動をとればよいか,
について学習し,認識を深めること,そしてそのことを通じて,
?B 地方公共団体における「危機管理」とは何か,
ということについて問題意識を持ち,「危機管理意識」を高めることをねらいとする。
阪神・淡路大震災において「危機」への対応を迫られた国,神戸市及び西宮市の事例からは,
?@ 国,神戸市及び西宮市の対応状況はどうだったか,
?A 行政とボランティア団体・個人又は住民との連携状況はどうだったか,
?B 国,神戸市及び西宮市は何を震災の教訓としてとらえ,何を今後の課題としているか,
?C 今後予想される地震による大規模災害に対してどのような事前準備を行おうとしているのか,
を読みとりたい。
静岡県,静岡県焼津市,神奈川県平塚市の事例からは,
?@ それぞれの地方公共団体が阪神・淡路大震災以前に行っていた地震災害に対する事前準備の特徴は何か,
?A それぞれの地方公共団体が何を阪神・淡路大震災の教訓としてとらえ,何を自らの今後の課題としてとらえているか,
?B それをもとに,どのような事前準備を行っているか,
を読みとりたい。
以上の検討を踏まえ,地震による大規模災害を想定した危機管理体制の整備について特に留意すべき点を整理し,それをもとに,各自の所属する地方公共団体の地震による大規模災害を想定した危機管理体制を再点検するとともに,災害時に地方公共団体職員として各自がとるべき行動について再確認したい。
その上で,「危機管理」ということについての認識を高めることをねらいとしたい。
<検討項目>
1 阪神・淡路大震災における国,県,市町村の対応状況(発生後1週間程度)とその教訓を次のような事項に関して整理してみよう。
(1)職員の初動勤務態勢
(2)災害対策本部の運営
(3)被害状況の把握,関係機関間の情報の収集・伝達
(4)消火,救出救助
(5)緊急医療
(6)災害時広報・生活情報の提供
(7)避難所の確保・運営
(8)緊急物資対策
(9)ボランティアとの連携
2 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて行われた神戸市の地域防災計画の改訂を参考にして,地城防災計画の改訂に当たって留意しなければならない点を整理してみよう。
3 阪神・淡路大震災の際,西宮市がボランティア団体・個人とどのように関わり,ボランティア団体・個人との連携体制を築いていったか整理してみよう。また,災害時に備えた平常時からの行政とボランティア団体・個人との関わり方について考えてみよう。
4 静岡県の地震防災対策のうち,次の点についてその特徴と意義を整理してみよう。
(1)地震対策300日アクションプログラム