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スター卜しました。それまで各社の焼却炉で焼却されていた紙類を、各社が上質紙・新聞・雑誌・パンフレットその他に分けて分別収集し、それを共同の「リサイクル推進車」で回収し、上質紙は上質紙に、新聞・雑誌・パンフレットその他はトイレットペーパーにリサイクルし、それを各社が購入することによって、循環型のシステムを作り上げています。リサイクルされた紙類の総量を調べてみると、1万本以上の森林が守られる成果がありました。

第2ステップ:1997年1月より廃プラスチック、木くず、一般ごみのリサイクルシステムをスタートさせました。(サーマルリサイクルS.)

これは、これまで埋め立てまたは焼却していたこれらの廃棄物を、固形燃料化してエネルギーとしてリサイクルするもので、処理業者の協力を得て固形燃料化のプラントが県内に完成し、そこを通してセメント会社ほかに燃料として供給する積極リサイクル作戦を展開しております。

第3ステップ:その他の廃棄物の中で生ごみについては、共同回収して肥料化し近隣の農家に供給して野菜類を栽培してもらい、それを食材として食堂が買い入れる循環型システムを考えています。一方、古紙余り現象を配慮して、古紙を利用したパルプモールド(製品の梱包材、緩衝材)の普及促進を図っています。

第4ステップ:第2ステップでできた固形燃料で「ごみ発電」等を行いたいと考えています。なお、第3、第4ステップでは、県内に必要なプラントを建設し、産廃場の県内処理促進を図ります。

第5ステップ:残りの廃酸、廃アルカリ汚泥の共同回収システムを考えています。

 

土屋:将来計画まで整理されているなど、積極的な取り組みの状況が良くわかりました。次は竹中工務店の石川さんにお願いします。

 

パネリスト:株式会社竹中工務店

石川健治

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建設業は、まさに地球環境とのかかわりの中で建築物を構築し、その運用・機能維持には資源・エネルギーを大量に消費するわけで、多くの地球環境問題にかかわっています。特に、地球温暖化問題との係わり(エネルギー消費によるCO2発生への寄与率が我が国全体の34%)が大きいことと産業廃棄物の増大に関しても建設産業は大きな比率を占めると同時に多くの問題を抱えており、廃棄物の削減と建設副産物のリサイクル推進が大きな課題となっております。

竹中工務店では、1960年代〜70年代に顕在化した公害問題への対応・2度にわたるオイルショックへの対応を通じて、大気汚染処理・港湾・河川等の水質浄化、さらにはビルや住宅での省資源・省エネルギーなどの技術を開発・実施してきました。そして、1980年代後半にクローズアップされてきた「地球環境問題」に対して、企業活動として取り組むこととし、1991年には「地球環境整備推進室」を設置し、1992年には「竹中工務店地球環境憲章」を定め、建築物の企画・設計・施工・運用・更新・解体等すべての企業活動に反映させ、1993年度からは、年ごとに「行動計画」を策定し、その実施結果を環境保全活動報告書「竹中レポート」としてまとめて外部にも発表しています。

また、企画・設計から施工・アフターケアまで一貫体制を特徴とする企業として取り組むべき地球環境問題に関して、環境負荷を考慮して3つの対応フレームにまとめて具体的な活動をしています。(資料37ページ参照)

当社では、建設廃棄物削減については「行動計画」以前から「廃棄物ゼロ運動」として、各本支店・作業所ごとにさまざまな試みが積み重ねられてきました。

「竹中工務店地球環境憲章」の中に建設にかかわる省資源、廃棄物削減・リサイクル推進がうたわれ、それを受けた「行動計画」において廃棄物

 

 

 

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