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削減目標が具体的に設定されています。これが全社的に方針展開され、各作業所は協力会社と連携しながら、目標達成に向けて取り組んでおります。次に、活動実績と活動事例について整理してみます。

?@全社的な活動:全社的推進体制の整備と規定・マニュアル類の整備

リサイクル情報提供システムの構築

推進キャンペーン等教育・啓蒙活動

?A設計段階の活動:廃棄物削減に有効な複合化工法導入の推進

廃棄物削減工法導入の検討システム構築

?B施工段階の活動:モデルプロジェクトでの集中的活動

廃棄物発生量・リサイクル率の調査と管理

優良作業所の活動事例の全店への水平展開

行動計画での全社の施工床面積当り廃棄物排出量は、1992年を基準に5年間で50%の削減を目標に掲げてこのような活動をしていますが、1994年度は35%、1995年度は47%、1996年度は37%となり、最近は廃棄物削減方策に限界感が出てきており、廃棄物削減に加えてさらなるリサイクルの推進に活動の重点が移行しつつあります。

リサイクルについては、本支店単位で処理ルートを確立し、指定副産物4品目の再資源化を促進するための「リサイクル情報システム」を構築・活用したり、新たな再生資源を活用するための技術開発を推進しています。

今後の課題としては、官民が協力して目標の実現に努力する必要があると思います。すなわち、建設業としては、今後とも自社の体制整備に努力するとともに、廃棄物排出業者としての自覚をもって廃棄物対策の徹底を早急に実現することが必要と考えております。

また、行政においては、建設副産物のリサイクル推進のための関連法規整備や連絡協議会設置、融資制度の設置などが進められつつあり、自治体においても基準整備や処理施設整備に取り組みがなされているものの、建設廃棄物の中で問題の多い混合廃棄物に関する取り組みは始まったばかりです。今後は、中間処理事業者を保護育成する社会システムの整備や再生資源に対するマクロ的な行政の市場整備と強力な行政指導が必要になってくると思われます。

 

土屋:建設業界の取り組みについての現況をお話しいただきましたが、やはり計画をきちんと作るということが重要のようです。

続いて、トヨタ自動車の鈴木さんにお願いします。

 

パネリスト:トヨタ自動車株式会社

鈴木 康

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現在注目されております各種環境問題は、相互に関連があり、大きな原因の一つとして、人口の急激な増加と密接な関係にあると言われています。(世界人口の増加グラフ:OHP使用)

2050年の地球の人口は約100億人に、21世紀の終わりには約110億人に達すると予測されており、アメリカで実施された「バイオスフェア-2」の研究結果(地球の人口許容量約100億人)と合わせて考えますと、人類全体の問題としてとらえ、対策を考えていかなければいけない時代になったと感じています。

従来、石油資源や鉱物資源について、埋蔵量が後何十年と提示されてきましたが、その値を私たちは真剣に考えていませんでした。現在は、それが現実的な問題として考える必要のある段階に入ったと思います。

廃棄物のリサイクルについては、取り組みに非常に難しい面があります。それは、鉄や鉛のスクラップ材の価格変動を示しますが、市場相場の

 

 

 

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