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4.2 エタノールの収率

耕作されたバイオマスは、自動車用エタノール製造プラント(そこで使われるのに十分なエネルギーを持っている)での原材料となる。しかし、大量の副生成物(たんぱく飼料、固体燃料)も製造される。システム内で使うスチーム(麦わら、バイオガスやリグニンの燃焼で作る)や電気、自動車燃料(エタノール)の使用は少ないが、市場に出せる正味総収率は(表2参照)、42から60%である(原材料の乾燥状態における低発熱量から計算)。エタノールの収率は穀物ベースで最も高く(23から33%:セルロースより多くのでんぷんを含む)、そして全ての小規模生産で最も高くなる。というのは、飼料は乾燥しておらず、自動車用燃料の使用も少ないからである。

 

4.3 穀物増加率

 

正味の市場向け製品と穀物ベースのシステムで加えられる化石燃料エネルギーとの間の比率は、約4〜8の増加率となる(図1参照)。そこでは、燃料としての若干の余剰麦わらも含んでおり、小規模生産の場合最も高い値を示す。化石燃料が輸送や製造プラントに使用された時は、4から1より若干大きい程度(もし、余剰麦わらを燃料として考慮されると、約1.25)に落ちる(図2参照)。増加率が通常1以下である化石燃料ベースの燃料や自動車用燃料より極端には良くない。

 

エネルギーに目を向けると、ここで飼料を(エネルギー生産物として)含めるべきかどうか疑わしい。そのかわり、新しい製品(大豆の粗挽き粉)に置き換えるためのたんぱく飼料製品に使われた化石燃料システムを考慮することがより正しいであろう。これは他の分析(Life of Fuels)で行われている。しかし、このケースにおいては、前述の比率はほとんど計算に影響しない。同様に、エネルギーの使用がどのようにいろいろな製品に分布しているか分析されていない。この種の分析(Life of Fuels)は他の項において興味が持たれよう。

 

4.4 木の場合のより大きい増加率

木の場合、投入エネルギーから原材料(エタノール)の乾燥物まで、約19%(エタノール)の正味の値が得られる。余剰リグニン燃料がカウントされれば、トータル42〜43%となった。電気あるいはスチームが、外部のコジェネレーションプラントで製造されるか、自身のプラントで製造されるかどうかによる差はない。両方のケースで効率はほとんど理想に近いからである。しかし、全システムで化石燃料使用が低い穀物の場合より増加率はより高い(9-14)。に示された場所は従来開発されたレベルのCASHプロセスに応用されており、継続開発の中で幾分かは改良されるであろう。

 

 

 

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