日本財団 図書館


(h)危険性要因=電気的エネルギー

 

電気には多くのよく知られた危険性、特に感電がある。これらの危険性の度合いは利用する電圧と電流の両方に影響される。電流が感電により傷害を生む要因である一方、より高い電圧はそれだけ大きな危険につながる。一般的に50ボルトを超える電圧は致命的なものとなる可能性がある。

 

o 感電による傷害

o 漏電による火災

o 電磁波からの健康への悪影響

 

4.4 代替燃料に関する危険性についての要約リスト

 

表4-1から表4-8まで(巻末に掲載)。

 

4.5 代替燃料の安全性に関する事例研究

 

危険性に関する要約リストが代替燃料の危険性への体系的なアプローチを提供する一方で、その要約リストは、実際に発生した安全性に関する事故の経緯について焦点をあてることはしない このため、以下に事故の経緯を示す。

 

4.5.1 メタノール用車両の火災

 

M85燃料で走る中型の配送用トラックが、燃料システムの漏出および火事を経験した。最初の状況は、そのトラックが高速道路上にあり、運転手がエンジン警報ランフが点灯していることに気づいたということだった。運転手が近寄ってみると、炎がエンジン部分から出ているのがわかり、携帯消火器によって消火を試みたが火は消えず、通報を受けた地元の消防署によって火は消しとめられた。メタノール燃料の漏出が、コールドスタート用燃料噴射装置の周辺において発生した。漏出した燃料はおそらくリト気マニフォールドに引火し、 トラックのフロント部分の火災を引き起こした。貨物は損傷もしくは破壊されなかったが、エンジン部分は、広く損傷し、 トラックは全損となった。皮肉にも、この事件は、車両の運行にコールドスタート用燃料噴射装置を必要としない南のカリフォルニアで発生した。

 

4.5.2 液化天然ガス用バスの爆発

 

1992年12月6日に、メタン爆発が液化天然ガスを動力源とする交通車両の内部で発生した。

全長60フィートのこの連結バスは、まさに納車されたところで、液化天然ガスでの運行の準備がされていた。メーカーの派遣者は、バスに設置された引火性のガス感知器が警報を鳴らした時、天然ガス燃料システムの漏出を修理していた。そのような修理は戸外で行われるべきと考えられたが、天候が悪く、作業は通常のバス整備場で行われていた。漏出に気づく状態になった後で、メカニックは、このバスを外に動かし始めるために、この警報を無視すべくスイッチを切った。しかしながら、バスが動き始めたとき、空調システムの中継器が、バスの内部に蓄積された引火性のメタン-空気混合気に引火した。その結果生じた爆発によって、天丼のハッチやベローズ、バスのすべての窓が吹き飛ばされた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION