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さい。

 

3.3.5.3 健康に関する事項

 

事業所使用のためのプロパンは炭化水素の混合物であるので、燃料の毒性は判定しにくい。主要な成分である純粋プロパンは、ACGIHによってリスクは窒息のみであると認識され、割り当てられた許容濃度(TLV)を持たない。もうひとつの重要な、しかしより少ない成分は、800ppmの時間加重平均許容濃度(TWA‐TLV)を持つブタンである。OSHAは、このレベルの半分以上の暴露が、医学的監視プログラムが設定されることを要求するレベルである。プロパンのための1000ppmの人体暴露限度(PEL)設定した。このOSHAの要求以外に、プロパンのために暴露限界を確立した他の機関、または団体はない。

 

プロパンが、現在の環境保護局(EPA)のラドン被曝に対するガイドラインを超えるラドン濃度をもつ、比較的高いレベルのラドンガスを含むと報告されていることもまた注目されるべきである。プロパンへの人体暴露は限られているので、ラドンガスへの潜在的な暴露は、重大な問題ではない。

 

3.3.5.4 環境に関する事項

 

液体プロパンは急速に蒸発するので、プロパンに関連する重要な環境に関する問題はない。

 

3.3.6 バイオディーゼル

 

3.3.6.1 一般的議論

 

バイオディーゼルは、大豆油、菜種油、他の植物油、動物脂肪、または、使用済み食用油および脂肪のような生物学的な原料から分離される自動車用代替燃料である。バイオディーゼルを合成するための化学反応では、苛性ソーダのような化学物質を使ったアルコールと油の混合を必要とする。この変化では、メタノールが使われたなら(通常、経済的理由から最も一般的)メチルエステルが生産され、あるいはエタノールが使われた場合はエチルエステルが生産される。いずれの場合でも、この反応は、価値のある副産物であるグリセリンを生み出す。メチルエステルあるいはエチルエステルのいずれも、圧縮点火のディーゼルエンジンのための燃料として、純粋な形で(100%)あるいは従来の軽油との混合物として使用することができる。

 

米国でバイオディーゼルを商業化する現在の努力は、国立大豆ディーゼル開発委員会(NSDB)によって1992年に始められた。その活動で強調される点は、20%大豆油メチルエステル/80%軽油(BD‐20)、および30%/70%の混合物(BD‐30)の使用である。これらの混合物は、コストおよびエンジン排気特性の最も良いバランスを提供すると考えられている。NSDBは1994年のはじめ時点で、バイオディーゼルを使い、全国で、とりわけ郊外バスを中心に1500台を超える事業所の車両が約800万マイルの実験走行を行なったと報告している。

 

菜種油から作られたメチルエステル(RME)は、大部分のEC諸国において燃料税が全額、あるいはほぼ全額非課税とされているため、広範囲に使用されている。その結果、ECにおいては米国より数百倍の車両および運行距離があり、バイオディーゼルに関するより広範な経験のベースがある。

 

 

 

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