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第4章 物流事業者・荷主企業における物流情報化の実例

 

1. 九州の主要企業の実態

九州における物流情報化の実態を把握するため、九州の主要企業に対してインタビュー調査を実施した。以下にその概要を示す。

 

(1)運輸業

【A社】

 

業種 貨物自動車運送事業(特別積合せ事業主体)

 

物流特性 ・売上構成:特別積合せ事業85%、一般事業10%、倉庫業等5%

・九州を中心に特別積合せ輸送を行い、関西・関東までは自社ネットワーク、北海道・東北・北陸・中国・四国については業務提携会社と連絡運輸を行う(中国地方の一部は自社でも輸送)。

・九州8カ所、神戸、大阪、名古屋、神奈川に流通センターを設置

・幹線輸送部分は自社6:傭車4程度の比率で運行。

 

情報化の現状

■社内システム

○概要

・1977年に初めて情報システム導入、82年に全店オンライン化完成

・出荷・配送される貨物には、すべてバーコードワッペンを使用し輸送上の各ポイント(全輸送行程中の6ヶ所:集荷、発送、到着荷卸、積込、完了)でコンピュータへ入力。

・全集配車に無線・ハンディ端末(バーコードリーダー)を装備。

・全国各支店の端末機より輸送情報を確認可能。

・データ入力:各現場でキーボード入力、一部の顧客からは、オンラインで情報入手。

○情報処理業務:配車計画、伝票・送り状作成、運賃計算、在庫管理

○ネットワーク

・基本的に専用線を利用。ただし、小規模店はINS利用。

・本社ではパソコンLANも導入済(約20台接続)。

■社外とのデータ交換

○概要

・約40社の顧客とオンラインによる入出庫指示を行う。オフラインも含めるとデータ交換は約70社。FAXでも全国に発信可能。

○情報処理業務

・貨物現在地情報、在庫商品情報、ユーザー別出庫情報、商品別粗利益情報等を顧客に提供。受領書回収システムも実施。

○ネットワーク

・通信方法:公衆回線利用が約9割。他はINS利用。1日1〜30回交信。

・接続方法:VAN、ホスト・トゥ・ホストの双方がある。各地域毎(東・名・阪)にサブホストを設置し、顧客には最寄りサブホストにアクセスしてもらう。

・通信手順:全銀手順もしくはJCA手順。

・倉庫業務では顧客の専用端末利用も5〜6社あり。自社専用端末を他社においてい

 

 

 

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