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第7章 観光を中心とした地域活性化の方策

前章で、本県における旅客航路整備における最重要課題は、観光を中心とした活性化率による旅客船需要の開発であることが指摘されたが、ここでは、天草地域の観光を中心とした地域活性化の諸方策を提案する。

 

1. 活性化推進体制の充実

今までに天草地域の活性化策については、様々な提案がなされてきたと思われるが、これらを具体化するためには、そのプランを実行に移していく受け皿を明確にしておくことが必要である。単に言いっぱなしではなく、それらのプランを行動に移していける組織体づくりが重要である。

 

(1) 活性化推進体制の充実

天草の観光を売り出していくためには、天草の全市町村が一体となって取り組んでいくことが効果的である。

また、地域の自治体、農協、漁業、観光協会等の関連のある分野の組織との密接な連携を図っていけるような組織体にすることが必要である。

そして、この組織体は、活性化プランを実行に移し推進できるほどの力を有したものとして構築されることが期待される。

 

(2) まちづくり団体との連携

地域には、まちづくりに積極的にかかわっている人達が各地にみられる。これらの団体とも連携を深め、これらの団体がもっているプランを援助したり、共に推進を図っていく等の活動を上述の組織体で行う。

 

(3) 人的ネットワークの形成

「クチコミ」といわれる人的媒体によるPRはきわめて効果的である。これらを可能にするのが人的ネットワークである。

東京、大阪、福岡等で活躍している天草出身者を組織化するのも一つの方法であり、また、天草に様々な点で関係ある人や、関心、好意を寄せている天草以外の多様な人々を「あまくさクラブ」とでもいうべき組織のもとへ吸引し、ゆるやかな、しかし確実な人的ネットワークを形成していく。このようなネットワークの人材は、単にリピーターとして期待できるだけでなく、天草の観光PRを担う「大使」としての役割を務めることが想定される。

 

(4) 活性化推進活動の方向

上述の組織体の活動としては、「マーチャンダイジング」(商品化)と「マーケティング」(営業・販売促進)の2つの軸から取り組んでいくことが必要である

つまり、天草の観光素材を用いた商品開発と、それをターゲットと目される層へ売り込んでいく努力の2方向である。

 

 

 

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