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(2) 小型船舶によるアジア域内航路の現状

一方でコンテナ船の大型化でスケールメリットを追求する主要船社のグループがあり、また一方では小型船による「コンビニ」感覚の柔軟な航路も出現している。

現在アジア域内では1000TEU以下の小型の船型が中心となっている。

アジア域内航路は地域の経済力の向上と国際水平分業の進展を背景として貨物流動が急増しているため、多様な航路展開が行われている。

また、外貿コンテナ航路の運賃に比較して国内での陸上輸送コストの割高感が際だつことから遠隔地の港湾までの陸上輸送を敬遠し、手近な地方港を利用しての外貿フィーダが重宝がられる傾向がみられる。それら地方港からは、韓国をはじめ中国、台湾、香港と結ばれており、なかでも釜山と西日本の港湾を結ぶ航路が多いのが目立ち、釜山のハブポート化が進展している。

九州各地から外貿コンテナを利用する荷主の多くは、就航航路数の豊富な神戸港を利用するケースが多い。

船舶の大型化の流れに対して、アジアの域内航路の地域では、小型船による小回りの利く、かつ大水深を必要としない地方港への柔軟な航路設定が行われている。

管内の地方港湾外貿コンテナ定期航路をみると、アジアと結ぶ航路が中心となっており、平成4年には下関〜釜山、5年には細島〜釜山、7年に大分〜釜山、細島〜基隆・高雄、志布志〜上海、8年に大分〜基隆・高雄・香港、宇部〜釜山、本年4月には伊万里〜釜山とを結ぶ航路が開かれている。8大港を除く地方港でのコンテナの取り扱い実績は800,983TEUで、全国比7.6%(平成8年)に達し、年々そのシェアを高めつつある。

 

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