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(2) 県下重要港湾の現況

県内には、熊本港、三角港、八代港、水俣港の4つの重要港湾があるが、いずれも規模は小さい。

最大の規模を誇るのは八代港で、大型船、外貿貨物を扱う外港地区には−12m岸壁をはじめとする港湾施設が整備されており、大島地区には−14m岸壁2バースが計画されている。

熊本港は、白川、緑川の河口に位置し現在フェリー岸壁2バース−4.5m、−5.5m岸壁がそれぞれ2バース整備されているが、計画では−10m岸壁2バース等の整備が予定されている。

熊本港では国道や高速道とのアクセスが悪いが、現在道路整備が進行中である。

港湾運送事業者も少なく、八代港で8社(常用港湾労働者数160人)である。

現在いずれの港湾ともコンテナ関連施設は未整備である。

 

(3) 関連構想・計画

・港湾を取り巻く交通体系の構想・計画としては長崎、天草、鹿児島を結ぶ「九州西海岸広域基幹ルート構想」、熊本市と本渡市を結ぶ「熊本天草幹線道路計画」、御船〜延岡間の「九州横断自動車道延岡線」、八代〜鹿児島間の「南九州西回り自動車道」それに新幹線(博多〜熊本、八代〜鹿児島)整備計画等が主なものとしてあげられる。

・地域開発としては、地域の農業や水産業等と有機的に連携をとりながら多様なレクリエーションが楽しめる海洋性リゾート基地づくりを行う「天草海洋リゾート基地整備」、八代市を核とした地域を県南の拠点と位置づけ、都市機能の向上等に取り組んでいく「八代県南拠点整備」、それに水俣、芦北地域の海岸線のレクリエーションを中心とした健康・保養基地として振興を図る「芦北・七浦パークコースト整備」等が推進されている。

・熊本市・益城町は平成7年にFAZの指定を受け、熊本港物流センター、熊本インポートマートの施設整備が計画されている。

・次期全国総合開発計画では新太平洋国土軸構想が検討されており、その西端となる熊本県はアジアの重要な結節点として位置づけられる。

 

(4) 旅客航路経営の実態

・旅客航路の輸送量の推移をみると、平成3年の雲仙普賢岳噴火によって大打撃を受けた「三角〜島原航路」の旅客数の減少によって旅客数全体は平成3年以降落ち込んでいる。

在来定期航路は概ね減少の一途を辿り、フェリーは横バイないし微増で推移している。

・旅客航路事業者アンケート調査によると、回答があった23件中「まあまあ採算がとれている」は5航路、「採算割れ」が18航路と約8割は不採算航路である。業績の見通しについても「非常に・かなり悪化」が7割で「どちらともいえない」「やや良好」は1割である。

 

 

 

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