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た。地域安全について、多数の女性が参加し、熱心に議論したのは今回が初めてである。

(5)「あんしんネットワーク」の結成大会を開催

11月1日、敦賀市粟野公民館において、同区民約350名および推進員、市職員、福祉関係者等40名が参加して、「あわの安心ネットワーク」の結成大会を開催した。そして、推進員15名全員が「同ネットワーク」推進員の中核として、今後、警察、行政、福祉団体などと連携しながら、犯罪被害、事故被害、少年非行、悪質商法、迷惑行為など、地域住民が直面する様々な困りごとに関して、相談業務、窓口の1青報収集、そのネットワークの拡大、相談を求める者に対する窓口の紹介など、幅広い活動を行っていくこととした。

また、当日の記念講演「こどもの心の成長を願って」(講師 地元民放元アナウンサー)に、参加者は深い感銘を受けた。

 

4 活動事例

 

〜「こども110番の家」の看板設置〜

神戸市内で発生した、連続小学生殺傷事件以来、こどもの安全対策が喫緊の課題となっているが、福井県内においては実被害こそないものの、6月初旬ごろから敦賀市をはじめ各地において、下校中や遊戯中の児童に対し「たまごっちあげる!」などと、見知らぬ男から声をかけられ車に誘うという事案が連続発生し、容疑者や車両が特定されないまま県内に大きな不安が広がった。

平成9年度「モデル地区」に指定を受けている敦賀市では、 6月19日県下に先駆けて、警察、市、教育委員会、PTA、商工会議所、婦人会、防犯隊および推進員全員など約80名が出席して緊急対策会議を開き、いわゆる「こどもHO番の家」帝町度を採用することとした。

その後、何回か協議を重ね、市内の通学路、公園周辺のコンビニ、薬局、ホテル、喫茶店、商店など早朝から深夜まで対応してくれる避難家屋場所1,369か所を指定するとともに、場所を示す看板を作成した。

そして、推進員はPTA等とともに、校区毎に7月上旬から夏休みに入る前の中旬にかけて、指定の家を戸毎に訪れ、児童が助けを求めて駆け込んできた場合の保護を警察、学校への通報を依頼しながら看板を取り付けた。

県民や地域住民が、いま最も不安を抱いている問題について、PTA等と共に先頭に立って連日活躍した推進員は、市民から高い評価を受けている。

なお、この「こども110番の家」制度は、その後、他地区にも広がり事案そのものも沈静化している。

 

5 モデル地区活動の効果

 

人口約7万人の敦賀市は、関西、中京方面と、北陸方面とを陸路、鉄道で結ぶ交通の要衝として、また、今年開港100周年を迎える敦賀港は、日本海側有数の国際港として外国人の出入りも多く、近年、各種犯罪等も多発傾向にある。

そのため、「モデル地区」に指定されたことにより、推進員は早期に体制と活動方針を確立し、地域安全活動の中核となって、幅広く各層のボランティアの参加を呼び掛け熱心に取り組んできた。とくに、「こども110番の家」制度に対するその熱意と行動力は、PTA、市民、マスコミ等の注目されるところとなり、「地域の安全は、地域住民自らの手で」との理念が広く深く定着したと思われる。

 

 

 

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