フォーマル・システム(社会システム)の三つのシステムの主体と秩序維持・統治(ガバナンス)機能を示している。Mは経済システムであり、市場メカニズムというインパーソナルな(非人格的な)メカニズムによって統治される。この経済システムの主体は企業である。Gは政治システムであり、民主主義国家では民主主義によって統治される。主体は中央政府と自治体である。Sは社会システムであり、市場システムと違って人間味の強いシステムであり、近代国家の場合には愛(連帯)・信頼と慣習によって秩序が維持される。主体は家族、親族・ボランティアそれに近年重要になってきた非営利組織(公的部門を除く)である。これら三つの社会のシステムはいずれも自然システムという大きなシステムの中にあり、社会システムの比重が高くなるにつれて自然システムとの共生の配慮が大切になる。
福祉ミックス論は、自然環境への影響を十分配慮しながら、これら三つの社会のシステムの長所をもっとも生かすように最適に組み合わされた綜合システムの実現を目標とする。
例えば高齢者介護も公的介護保険制度によるサービスに加えて、民間企業によるサービスとボランティアと家族の連携によって行うのが福祉ミックスである。また民間介護サービスや非営利組織の介護サービスの公的支援に
