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このように家族に対する意識は変化しており、今後もこのような傾向は進むと考えられる。

家族機能の低下によって、家族だけでは果たし得なくなった育児や介護を社会が支援することが今日の福祉社会のあり方となり、その担い手として地域社会に目が向けられている。しかし、その地域社会も、それを構成する家族の変化に伴って大きく変貌をみせている。特に大都市部における地域社会の変容は著しい。たとえば市街地では自営業(商家)等の職住分離が進んでいる。市街地における地域社会は人口構成の面からみれば、高齢化の傾向が進んでいる。

一方、郊外においては、宅地開発等によって、地域と関わる時間の少ないサラリーマン層が増加する等、地域住民の再編が進行している。平成2年の国勢調査によると、横浜市に常住する15歳以上の就業者約162万人のうち、市内で就業している人は98万人いるが、その他には、特に東京都へ通勤している人が42万人もみられる。そのため、かつて伝統的な互助システムや人間関係を有していた地域社会の役割や機能が、現時点においては相対的に弱体化をみせている。

以上のような要因だけには、もちろん限らないが、こうした地域社会における人間関係の希薄化を示す市民の意識の変化は横浜市においても見られる。例えば1980年から1994年までの14年間に「お互いに干渉しあわず、サバサバ

 

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