〈評 価〉
(1) この国の保健省は住血吸虫症対策を全国的レベルで進めることを決定している。
(2) プノンペンのCNM、クラチエの省衛生局のスタッフ、施設はラオスのそれらに比し格段に優れており、カウンターパートとして申し分ない。
(3) 保健省次官、CNM所長、副所長らが熱心に財団の協力を要望している。
(4) プノンペンから流行地へのアクセスと流行地の環境、保安状況に問題はない。この地域に地雷は絶無の由である。
(5) 本症の疫学、とりわけ患者と中間宿主貝の地理的分布に関し不明の点が多い。船上生活者の調査もきわめて重要である。
(6) この国の住血吸虫症対策への国際協力は現在MSF以外にはなく、われわれのtargetを血清疫学と中間宿主に絞れば競合などの恐れがない。この点については既に双方に合意ができている。
以上から本協力計画の実現を切に希望したい。
〈当初3カ年実施計画〉
(1) 毎年専門家3名を3-4週間、派遣する。
(2) 派遣時期はメコン川の低水位期の2月としたい。
(3) 調査、集団治療などの作業に必要なモーターボート、オートバイ、無線電話、検便・検血機材、などの供与をお願いしたい。
(4) クラチエ、スタントレン、およびカンポンチャム省における住血吸虫症の分布と中間宿主の分布、船上生活者の感染調査を重点的に行う。
(5) カンボジアスタッフの日本での技術トレーニングを行いたい。「註」本計画を来年度から実施するとした場合、実現は再来年(1999年)の3月になってしまうことから、是非特例として本年度から実施できるようお願いしたい。