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3.5 流木による流動の推定結果(秋田港)及び検討

3.5.1 流速の推定方法

秋田港においては、地震発生から3時間半後の15時30分頃に航空写真が撮られ、貯木場からの材木の流出がとらえられている。秋田港での航空写真を図3-5-1に示す。

写真は旧雄物川に沿って撮影されているが、隣合う写真と写真が重なっているので、2枚の写真を撮影する間で流木が流れによって移動していると、前後する写真で同一の材木が異なった位置にみられることになる。よって、流木の移動距離を写真上で測定し、撮影間隔で割ることにより、流木の移動速度及び方向を求めることができる。流木が水の流れに追従しているとすると、流木から津波の流速を推定することができる。

流速の測定方法としては、流木のような漂流物を用いる方法の他に、海面の泡、海中の濁り模様等が流れと共に移動する量が、写真を立体視するときに偽視差として生ずること(カメロン効果)を利用して流速を推定する方法がある。この場合、流速分布が面的に得られる反面、飛行機の移動方向と平行な流速成分しか得られないのが欠点である。

ここでは、上記2方法で秋田港における津波による流速を推定した。

流速の推定に使用した写真の撮影時刻を表3-5-1に示す。なお、写真は港奥から港口方向へと撮影された。

 

080-1.gif

 

 

 

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