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3.3 津波計算波高と検潮記録との比較

能代、秋田、酒田の各港湾では日本海中部地震津波来襲時に検潮儀が津波を時系列として記録している。そこで、各検潮所の位置における計算津波高時系列と実測津波高の比較を行った。検潮儀は海洋潮汐を観測することを主要な目的としており、周期が潮汐よりずっと短い(数分〜数十分)津波を観測する測器としては、その応答特性が余り考慮されていない。すなわち、津波の周期、振幅によっては実際の津波よりも低めの波高を記録することが有り得る。

ここでは計算津波波高の時系列に、各検潮所の応答特性を考慮したフィルターをかけて、検潮所で記録された津波波高と比較した。

検潮儀の外の津波の変動Hより検潮儀内の津波の変動hを算出する式は、以下で与えられる。

046-1.gif

ここで、gは重力加速度、Wは検潮井戸の応答係数である。応答係数Wは能代、酒田の検潮所では実測値が得られている。秋田の検潮所については実測値が得られていないが、以下の式に従って応答係数を算出した(「日本海中部地震津波の発生・増幅機構」、昭和63年9月)。

046-2.gif

ここで、

Dw:検潮井戸の直径

Dp:導水管の直径

L:導水管長さ

F:損失係数

fe:流入損失係数(=1.0)

f:摩擦損失係数

fex:流失損失係数(=0.5)

n:マニングの粒度係数(=0.0013)

 

 

 

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