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●図表1。高齢者(60歳以上)の屋外種目における気温条件による活動参加基準例
(気温の状況)
●5℃未満 原則的に参加中止
●5〜10℃ 日射があり風が少ない場所。防寒の服装をすることが条件
活動時間は2時間以内とし、運動量の変化にあわせて服装の調整を義務づける。
●11〜24℃ 気温としては高齢者の参加に適合
●25〜30℃ 木陰か屋根がある場所が近くにあることが条件
活動時間は2時間以内とし、水分補給を義務づける。放射熱の高いアスファルトの上では参加中止とする。
●30℃以上 原則的に参加中止
3)運動前・中は禁酒・禁煙とするルール
飲酒、喫煙は個人の嗜好の問題であり、マナーや常識の範囲なので一律にルールで規制するのはむりであるとの意見があることは十分理解できる。しかし、規則がなければ指導者は注意しづらいのも事実である。参加者の「この程度の運動で」と思う気持ちが自己管理を安易にさせているケースが多々みられるのは残念である。ゲーム中はプレーを楽しみ、飲酒などの楽しみはゲームが終わってからと慣習化する必要があるのではなかろうか。
4)運動量の上限を定めるルール
同じ種目でも運動の内容や方法によって運動量は違ってくるが、高齢者の参加については、その種目の特性や運動強度などを考慮した活動制限が必要であろう。例えば、原則として半日(4時間)以上継続してはならない、あるいは、一日の合計試合時間は2時間以内とする、などのような制限の仕方が考えられる。
5)審判に抗議できないルール
遊び感覚を忘れて勝負にこだわりすぎるとスポーツを楽しむことができなくなる。特に高齢者の場合、勝負を強く意識して興奮しすぎると、安全の面からも危険でもある。ニュースポーツでは、原則として審判や相手への抗議は禁止とし、抗議した場合はペナルティーを課すなど、勝負への過剰な加熱を抑制するようなルールも必要であろう。また、状況判断は難しいだろうが、服装不備や素行乱暴などについても、退場や減点などペナルティーを命ずることができるようしてはどうだろうか。
審判はゲームを楽しく進めるためのルールには寛容であっても、安全に関するルールには厳しく、参加者に厳守させるという態度が求められる。その審判の判定をバックアップするためには、明文化した基準やルールが必要となる。
6)試合時間を限定するルール
テニス型やバレーボール型のように得点制のゲームでは、試合時間の長短が生じる。特に、得点のラリーポイント制やラリーの応酬が容易な種目では、拮抗した技能の対戦者同士では試合の展開によって大幅に時間がかかる場合がある。高齢者の場合は、ラリーポイント制や延長ルールをやめるなどの制限を加えることも必要ではなかろうか。なお、大会

 

 

 

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