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運営上どうしても勝敗の決定が必要なら、その決着する方法をルール化しておくとよいだろう。ニュースポーツでは引き分けがよく似合うのではないだろうか。引き分けを活用する勝敗決定方法を考えてはどうだろう。
7)用具取扱いのルール
重量のある用具、固い用具、長い用具などを投げたり、振り回したり、打ったりするような種目では、用具の扱いについての禁止項目をルール化しているものもある。これは高齢者を対象とするときだけでなく、重要な安全ルールであろう。スティックを振り回して誤って人にぶつけ、トラブルになったケースもあり、十分な注意が必要である。
特に、用具の取扱いに注意が必要な種目では、例えば、声や指差しによる確認、スティックの振り上げ禁止、飛距離の制限などのルールが考えられる。
8)高齢者の参加制限のルール
動きが激しく、身体接触をともなう種目で、高齢者が若者の中に混じってプレーする場合には十分な注意が必要である。
例えば、ユニホッケーのように身体的接触のある種目、綱引きのように体力差が勝負を決める種目、チュックボールやドッジボールのようにエキサイトするとかなりのスピードをともなう種目では、若者と高齢者の混成参加を制限したり、高齢者用の特別ルールを設定することも必要であろう。
[7]類型別ニュースポーツの安全対策

1)テニス型ニュースポーツの安全対策
高齢者の動きはどうしても緩慢になりがちで、自分のからだの動きを制御したり方向転換するのが苦手になる。そのため、テニス型の種目では、よろけてコートの外に飛び出し、壁や人にぶつかったり、むりに止まろうとして捻挫やアキレス腱断裂などをおこすことがある。また、とっさの動きやラケットを振る動きなどから、予想以上に身体負担度が高くなっている。
高齢者のプレーでは隣接するコートや壁との十分な間隔、膝当てや肘当ての着用義務などによる傷害防止の配慮が求められる。また、勝敗得点の減少、ラリーポイント制の禁止、シングルスよりダブルスの多用などよって運動量が過剰にならないような工夫も必要となる。ラケットの重さや大きさについても、負担になるようであれば、軽量や小型のものを用意する特例処置を設けることも必要である。
2)バレーボール型ニュースポーツの安全対策
むりなジャンプをして、捻挫やアキレス腱断裂などを起こすケースがみられる。特に、バレーボール型の種目では、高齢者の試合ではネットを低くしたり、ジャンプ動作の制限あるいは禁止するなど、過度なジャンプ動作をしないようなルールを設定することが必要ではなかろうか。また、テニス型の種目と同じように、膝当てや肘当ての着用義務、勝負得点の減少、ラリーポイント制の禁止なども検討すべきある。

 

 

 

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