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に前者(増)が漸く7.1%上回ることとなり、企業における新規学卒者の採用意欲は−常用雇用者総数そのものは縮小傾向にあるものの−年を追うごとに段々と膨らんできている状況にあるとみられる。
ア. 企業規模別
これを規模別にみると、「5千人以上」の大企業では「増やす方向」が42%と昨年調査より32%も増加し、逆に「減らす方向」が13%と昨年調査より27%減少するという急激な増加の傾向がみられ、特に注目される状況となっている。また、「増やす方向」と「減らす方向」プラス「採用しない方向」とで増減方向をみると、今述べた「5千人以上」では前者(増)が24%上回り、同じく「1・2千人台」でも前者(増)が9%上回ったのに対して、「3・4千人台」と「千人未満」では、それぞれ後者(減)が11%と9%上回ることとなっていて、企業の規模によって、少し新規学卒者の採用見込み数の態様に違いが出ている。
イ. 産業別
これを産業別にみると、全体としてどの産業でも昨年よりは好転をみせているものの、端的に「増やす方向」と「減らす方向」プラス「採用しない方向」との増減方向でみた場合、前者(増)の上回るのは「製造業」の17%、「卸売・小売業、飲食店」の12%、「運輸・通信業」の5%(「電気・ガス、熱供給、水道業、サービス業」は±0%)であったのに対して、後者(減)の上回るのは「建設業」で13%、「金融・保険業、不動産業」に至っては24%と、産業の直面する環境によって大きく違いがでることとなった。
(2) 事務・技術系別の新規学卒者の採用見込み数〔第37・38表参照〕
事務系・技術系別に平成9年4月の新規学卒者の採用見込み数をみてみると、まず、事務系では「増やす方向」と回答した企業が22.1%であったのに対し、「減らす方向」(18.5%)と「採用しない方向」(10.7%)とを合わせた回答割合が29.2%となっていて、後者(減)が7.1%上回っていたのに対して、技術系では「増やす方向」と回答した企業が25.4%であるのに対し、「減らす方向」(12.9%)と「採用しない方向」(14.9%)とを合わせた回答割合が27.8%(後者(減)が2.4%上回る)となっていて、事務系、技術系を分けて回答のあった企業では両者で大差はないものの、強いていえば技術系の方に幾分多く採用意欲が動いている様であった。

 

 

 

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