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3. 企業年金の通常掛金の負担〔第18表参照〕

企業年金制度を導入している企業に対し、その通常掛金を誰が負担しているか尋ねたところ、「全額会社で負担している」企業割合が61.0%、会社負担に従業員拠出分を上乗せしている形の「会社と従業員の拠出で負担している」企業割合が38.0%であった。なお、平成元年度調査で「今後における退職金の見直しと企業年金の見直し」を調査した結果では、今後の方向として「終身年金化する」19%、「拠出制を検討する」17%、「自社年金を設ける」12%等と、企業年金の拡充に積極的な企業姿勢が目立ち“厚みを増して終身支給の方向へ”と制度が充実する方向に動いている様子がみられたが、今同の調査はその結果を如実に示しているということになる。

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4. 企業年金の受給資格〔第19〜21表参照〕

次に、企業年金制度を導人している企業に対し、企業年金の受給資格をどの様に定めているのか尋ねたところ、
ア. まず従業員の「勤続年数」に受給制限を設けている企業は87.8%(294社中258社)と殆どの企業で行われており、そのうち、「勤続年数20年以上」が48.0%で最も高い回答割合であった。次いで「勤続年数15年以上]が18.6%、「勤続年数10年以上」が10.5%と続いていた。
イ. 従業員の年齢に受給制限を設けているのはほぼ三分の二の企業の63.6%(294社中187社)で、その年齢は、「60歳以上」が36.4%で最も高く、また「46歳〜50歳」も31.0%と高く続いており、次いで「55歳」も15.0%あった。
ウ. また、企業年金の受給資格を定年退職者に限っているのか、限らないのかを尋ねたところ、「定年退職者に限る」と回答した企業は23.8%だったのに対し、「定年退職者に限らない」とした企業が76.2%と大多数であった。
なお、平成元年度調査では支給開始年齢は60歳が大部分で、その他は少数であった(また、ついでにいえば支給期間については、適格年金では10年が65%、調整年金(基金)では終身が84%、自社年金では10年が38%と多数を占めていた)のが、今回調査の結果では支給開始年齢は60歳より若年の50歳位から多く支給されるようになり、「定年退職者に限らない」のが圧倒的になっているのは、やはりその後のリストラによる定年前退職者への配慮が制度化されてきているものと考えられる。

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