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6例であった。このうち、搬送ヘリに当番医師が添乗したのは、溺水の1例であった。診療科目別にみたヘリ搬送患者数では整形外科がもづとも多く10例、ついで内科7例、外科4例、産婦人科2例であった(表6)。

V.考察

全受診患者に対する紹介患者の割合は2.04%で、診療科目別紹介数では脳外科を含む外科がもっとも多く以下整形外科、内科、耳鼻科が上位を占め、このことはいずれもこれまでの報告と合致する。また、診療科目別に見た紹介率では産婦人科(不全流産、性器出血精査など)や泌尿器科(尿管結石の精査)が高い値を示した。外科系の紹介患者が多くなる理由としては、外傷などの治療途中で島を去ることが多いため、また筆者自身がこれまで内科、小児科中心の研修を受けてきた為に骨折や小外科手術のマネージメントが十分でないことなどが挙げられる。

このように紹介患者の内容を検討することにより自分にとって不足していると思われる知識や手技などを把握し、今後の診療活動に生かす努力が必要である。その場合、親病院または他の医療機関での短期研修など受ける機会が保障され、同時にその間の離島診療所を人的に応援する体制が整備されることが必要となるが、現状では容易ではない。むしろ離島に赴任する前の段階で、これらのいわゆる「離島医師の弱点」を克服するような内容の研修が行われるべきである。

年齢別患者分布では40歳以下の若年層と高齢者の紹介が多く、観光地である島の人口分布を反映していると思われた。住所区分を見ると島外患者が30例

 

 

 

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