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れることが分かり、川の汚染を研究するようになりました。そして、川の源である山、地下水というように研究の場がだんだん上流に移り、今では水の源、そしてそこに捨てられるゴミの問題に取り組んでいます。
 振り返ると、豊かな地球の海は、源である森、そこに降り注ぐ雨の水質が大きく関わっており、現在地球規模で起こっていることですが、海を守るためには上流も一体であるということを痛切に感じています。

◆内 田………高知県環境審議会委員をしております内田です。私は、典型的な日本の都市生活をしている女性です。世界的に言うと消費者階層にいる者で、地球環境に対しては加害者の立場です。典型的な女性、というのは現在仕事をしていて、しかも家では家事を主にやっています。そして付け加えるならば市民活助も。10年ほど前から環境問題に関心があって活動していますが、なかでも石けん活動、紙パック回収活動などを通じて環境問題を啓発する活動を今も続けています。

私は女性問題アドバイザーでもありますが、環境問題と女性問題は別の問題のように思われがちです。しかしこれらはしっかりとリンクしておりまして、男性も家事の主体者・消費の主体者として自主的に環境問題に取り組んでいただきたいと思っています。もう8年くらいになりますが、環境を問題にしたアースデーが、今年も4月に行われますので、ぜひご参加ください。

◆樋 野………三菱電機の樋野でございます。高知に来て10年、その前は熊本にいました。高知へ来て一番感心したのは星空が非常にきれいだということと、夜は市内の真ん中でカエルの声が聞こえ、オタマジャクシもたくさんいること。それと高知の海はどこへ行っても魚釣りができること、最近ちょっと釣れが悪くなりましたが、そんな意味で高知は自然がまだまだ残っているなあと感じました。

『ローカルアジェンダ21高知』とは?

高知県は、温層な気候、緑あふれる山々、数多くの清流、黒潮流れる太平洋などの豊かな現境に恵まれてきました。しかし、近年、生活排水による川や海の汚れ、自動車の排気ガスなどによる大気の汚れなどが、微妙な均衡のもとに成り立つ自然の生態系をはじめとする環境に影響を及ぼすようになっています。
 そして、1992年6月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにおいて、世界の約180カ国が参加し、「環境と開発に関する国連合議(地球サミット、UNCED)」が開催されました。この会議では、人類の生存基盤である地球規模の環境問題と地域の発展について討論が交わされ、「持続可能な開発」を基本理念とする「環境と開発に関するリオ宣言」と、その理念を実現するために、21世紀に向かう人類にとってあらゆる分野で具体的な行動計画を示す「アジェンダ21」が採択されました。この「アジェンダ21」の第28章では、「アジェンダ21」で提起されている諸問題及ぴ解決策の多くが地域的な解決に根ざしているものであることから、地方公共団体の参加及ぴ協力が目的達成のための決定的な要素になる」として、地域における行動計画(ローカルアジェンダ21)を策定することを求めています。
 このような状況を踏まえ、高知らしさあふれる環境の保全と創造に取り組むことが、地球環境問題にもつながるとの認識のもとに、高知県環境基本条例(平成8年高知県条例第4号)第29条に基づき、地域の立場から地球環境の保全に総合的な取り組みを進めるための行動計画として策定されたのが「ローカルアジェンダ21高知」です。

*アジェンダ(agenda)とは、「課題」「行動計画」「構想」「計画表」「予定」などの意味を持つ英語で、21は、「21世紀」を表現しています。

 

 

 

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