◆杉 山………私は廃棄物処理とリサイクルのコンサルタントをしております。主に廃棄物に関する調査、廃棄物処理計画、リサイクル計画などのお手伝いをしています。今日は「地球環境と私たちの暮らし」ということで、コーディネーターを務めさせていただきます。最初に、ここ5年ほどの地球環境問題をめぐる動きを振り返って見たいと思います。
’92年の6月、ブラジルのリオデジャネイロでいわゆる地球サミット、正確には「環境と開発に関する国連会議」というものが開かれました。そこで、地球の温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨というようなさまざまな地球規模の環境問題に対して、世界が協力し合って解決するために、さまざまな議論が行われたわけです。
そのなかで、「持続可能な開発」という基本理念が打ち出され、そこから「環境と開発に関するリオ宣言」が出されました。この「持続可能な開発」という理念を現実のものとしていくために、21世紀に向けた行動計画として、「アジェンダ21」がつくられました。
その後、日本でも「環境基本法」がつくられ、「環境基本計画」などが策定されています。そして、高知県では平成8年に「環境基本条例」がつくられており、皆様のお手元にある「ローカルアジェンダ21高知」は出来上がったぱかりと聞いております。
高知県の中で、地域の立場から地球環境問題に取り組むための行動計画を織り込んだ「ローカルアジェンダ21高知」は、県民・事業者・行政が三者一体となって、パートナーシップを組んで環境問題に取り組んで行こうということを考えてつくられています。
私は廃棄物コンサルタントをしておりますので、廃棄物の分野で申しますと、4月から「容器包装リサイクル法」という新しいリサイクルの法律ができ、ビン・缶・ペットボトル・紙パックというような、容器類のリサイクルが全国で本格的に始まる状況です。環境問題は幅広い問題ですが、本日はさまざまな分野でご活躍のパネラーの皆様にお集まりいただいています。それでは自己紹介を兼ねて順に今井先生からどうぞ。
◆今 井………「ローカルアジェンダ21高知」の策定に加わらせていただきました。もともと私の研究は水を中心に進めてきたもので、最初は海水の中の微量成分について研究していました。海水が川の水に大きく左右さ