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第6章 地方中核都市の均衡ある発展に向けた取組体制

  1.本調査研究の範囲

本調査研究のテーマである「都市機能の集積等による地方中核都市の均衡ある発展に関する調査研究」での都市機能は、地方中核都市としての役割を担う都市機能を指し、均衡あるとは、市内各所への都市機能誘導を適切に配置することによる市内各地域の均衡ある発展を図ることを指している。したがって、ここでは、農林・漁業、製造業、商業・サービス業などの各種産業の均衡ある振興を指したものではない。
一方、地域の均衡ある発展とは、本来ならば、地域での課題と都市レベルで必要な都市機能誘導の都市開発・都市整備を地域で総合的に調整して、地域の振興・発展を図るというボトムアップとブレーク・ダウンの調整・総合化を必要とする。しかし、本調査研究では、地方中核都市としての都市機能の強化を図るために必要な施策・事業を明らかにし、地域に事業・施策を配置するという都市レベルからのフレーク・ダウンを主たる内容としている。
また、調査研究対象は、経済分野から市民生活に係る分野まで、広範囲に渡っている。このため、提示した施策・事業を実施するためには、工業振興計画、観光・レクリエーション計画、あるいは市民文化活動活性化計画など、個別分野での調査研究内容を一層深化させ、事業の可能性、効果などを検討する必要がある。
更に、各地域での機能整備の方向は、各地域で必要な機能を掲げたものであり、将来を展望した可能性については、余り言及していない。
今後、地域住民の計画への参加による地域の望ましい姿を検討するなどの作業が必要である。
したがって、本調査研究で提示した内容は、概ね地方中核都市としての佐賀市の都市機能を強化するための枠組みの範囲に留まっている。

 

  2.本調査研究結果の活用のための今後の展開

本調査研究を次期総合計画の改定に向けて活用するためには、次のような事項についての取組が必要である。

   (1)個別分野の計画内容を深化するための調査研究

本調査研究で提案した地方中核都市としての都市機能強化のための施策・事業の提案については、その実現性や事業効果についてより詳細な研究を必要とする。本調査研究を進めるに当たって、これまでの既往調査計画書で提案され

 

 

 

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