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 第3章 ヤンゴン市及び地方都市(マンダレー)の道路交通状況

 3-1 ヤンゴン市

  3−1−1 ヤンゴン市の概要

 ミャンマー連邦の首都であるヤンゴン市は南側をYangon川、西側をYangon川とその支流のH1ang川、東側をPazundaung Creekとその外側のBogo川と三方を河川に囲まれており、その面積はおよそ2.59百万m2である。現在のヤンゴン市の人口は約400万人と推定されており都市人口の約11%を占めている。
ヤンゴン市にはヤンゴン市開発委員会(YCDC:Yangon CityDeve Devlopment Comittee)があり市域の計画及び開発事業を一元的に管理している。YCDCは事業予算の確保からその配分まで独自にできる権限を有している独立的な存在となっている。現在は委員会の下に管理部門、エンジニアリング部門等の18の部局を抱えており運輸交通計画に関しては運輸・ワークショップ部門(Motor Transport & Workshop Department)が担当している。

 

  3−1−2 都市交通の現況と問題点

 ヤンゴン市の自動車登録台数の内、前年比(95年末)は約15%増に見られるように、ここ数年市内の自動車の増加は著しいものがある。これに伴ない、朝・昼(下校ラッシュ)・夕、ダウンタウンや幹線道路の交差点での交通渋滞が見られ、日常的になりつつある。
 特にピーク時のダウンタウンにおける混雑は既に顕著な状況になっており、特に次々と発進するバスの内部は定員を大幅に越えている。ピーク時のバスサービスの需要は供給を大きく上回っており、より快適なタクシーあるいは乗用車の需要が増加している。この傾向が道路混雑を増加させる一因になっている。
 現在、ヤンゴン市では1日に約560万人の人々が移動していると推定されている。その内約310万人が徒歩(55%)、230万人が公共輸送機関(41%)、20万人が自家用車(4%)を利用している。公共輸送機関の内、約80%がバス利用者であり、他は鉄道、フェリー、タクシー等を利用している。
 その内訳はヤンゴシバス管理委員会(YDBCC:Yangon Division Bus Control Committee)管理下の民間バスが78%、陸運公社(Road Transport:以下公社と言う)が16%、残り3%がミャンマー国鉄、3%がその他となっている。民間バスはYDBCCに登録をして運行し、輸送量に応じた運賃収入の一定割合を収入としている。民間バスのオーナーは平均2台程度(最大14台)しか所有しておらず、現段階では民間企業はまだ成長していないのが現状である。
 陸運公社はヤンゴン首都圏のバス旅客需要の16%を、残りの大部分をYDBCCに登録している民間企業が分担している。しかしながら、YDBCC加入のオーナーは零細業者であり、単独の運営主体としては陸運公社が最大である。

 

 

 

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