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団の鉄製機器類により地球磁界の方向が曲げられるなどして、方位誤差を生じるので、修正装置により修正する必要がある。

磁気コンパスを装備する場合の一般的な注意事項は、次のとおりである。

(1)できる限り船の中心線上であって、全方位にわたって見通しが良好な位置に設置すること。

(2)他の電子応用機器、磁界を歪ませる機器類を安全距離(メーカー指定)以上離すこと。

 

 8.4 ジャイロコンパス

ジャイロコンパスは、三軸の自由をもつジャイロに指北装置を付加して、ジャイロ軸を南北方向に向ける。それだけでは地球表面の自転による傾斜と旋回の影響を受けて軸振捨を起こすから、更に制振装置を付加して地球表面上で北を向かせて見かけ上静止させたものである。

また、速度や動揺によって誤差を生ずるので、これの防止措置が講じられている。

ジャイロコンパス本体は、マスターコンパスと呼ばれ、これだけでは針路の測定や物標方位の測定に利用できないので、必要な場所に備えられたレピータコンパスに角度伝達装置によって方位を伝達することもできる。

 

8.5 音響測深機

音響測深機は船底に装備した送波器から海底に向かって音波を発射し、その音波が海底から反射してきて受波器に受信されるまでの時間を測定し、水中音波の伝達速度から水深を求めるものである。また海底までの途中に魚群がいると、これらからの反射もある。魚群のような弱い反射の探知を目的として漁業用に使われるものを魚群探知機といっているが、両機ともほとんど同じもので、使用目的だけが違っているだけである。

 

 

 

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