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(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較

 1994年現在保有の1,000G/T以上のブラジル船のうち、ブラジル国内建造以外では日本建造が最大で、次いでデンマーク、フランス、ポーランド、ドイツ、スペイン、旧ユーゴ、ベルギー、英国、ノルウェーなどとなっている。(G/Tベース)。
 ブラジル保有船(1,000G/T以上の船舶)を国内造船所別にみると、国営のCompanhia Comercio e Navegacaoと外資系のIndustrias Verolme−Ishibras(lVC)と合わせて、国内建造全体の80%近くを占めている。
 これらの建造国は、いずれもブラジルが必要とする船舶建造には経験を積んでいるため、性能、品質などについては殆ど同水準にあり、また船価、延払条件についても各国とも国際協調の線に沿っており、大差はないものと思われる。

(B)輸出対策

 ブラジルは、連邦政府による造船業に対する強力な援助のもとに新興造船国として発展途上にあり、先進造船国を追い上げつつある。
 従って、ブラジルを船舶輸出市場として期待していくことは困難となるため、競争相手国はその対策として、ケミカル・タンカー、セルローズ船、LPG船、コンテナ船など、専用船や特殊船のような高度技術と経験を生かした船種に的を絞って売り込むことに努力している。
 わが国は、現地にイシブラスのような強力な陣営を確保しているが、今後も更に協力して、技術日本のPR活動を続けることが必要である。

(C)歴史的、経済的なつながり

 ブラジルは、1500年4月22日ポルトガルの海軍提督ペドロ・アルバレス・カブラルによって発見され、以後3世紀にわたってポルトガルの植民地となった。
 1822年9月7日ポルトガル国王ジョアン6世の皇太子トム・ペドロがブラジルの独立を宣言し、同年10月12日自らペドロ1世として帝制を敷き、皇帝となった。

 

 

 

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