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ジル船を利用しなければならない。
 わが国とブラジルとは、経済構造の補完性を基礎とした両国の経済関係は緊密であり、現在問題となるものはない。

(C)輸入資金の調達状況

 ブラジルにおいて船舶を輸入する場合、輸入者は外国貿易管理局(CACEX)に申請してライセンスの発給を受けるが、同時にFOB価格相当額を中央銀行に預託することになっている。
 輸入代金の支払時には、中央銀行に申し出てその許可を得、為替銀行から外貨を支払う。
 従って、自己資金があれば、これは事務的に容易に取り扱われるので問題はない。

(D)契約条件

 ブラジルにおける船舶輸入の契約條件は、現金払いの場合もあるが、延払いを条件とする場合が多い。
 その場合、契約金額の70%〜80%を7年の延払いとするケースが多い。

(E)取引ルート

 ブラジル政府は、自国造船業の育成、発展に力を入れているため、国営造船所、日本、オランダの各外資系造船所をはじめ10社以上の民間造船所がある。
 現在、ブラジル造船業は、あらゆる種類の大小船舶の建造実績、経験をもつ新興造船国として、国内船はもとより、輸出船の建造を行っている。
 従って、ブラジルの海運会社が海外へ発注するのは、国内発注よりもメリットがあること、自社の早期手配の必要からして短納期が可能であること等が目的であるから、これに応じるためには、ブラジル海運界との常時接触を図り、海運会社関係筋に対し、わが国の造船事情、ブラジル船に勝る近代的経済船、専用船などに関する技術的説明資科を提供して、船主の関心を深めることが取引への第1ルートになる。

 

 

 

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